仙石浩明の日記

2006年7月8日

一つのIPアドレスで djbdns (tinydns, dnscache) を走らせる (1) djbdns の特徴

djbdns は、 とてもシンプルなネームサーバなので、 動作が予測しやすいという特徴を持っている。 複雑なプログラムにありがちな、 謎な現象とも無縁。 ネームサーバというと BINDが有名だが、 BIND はとても巨大なプログラムで、 特に高負荷時に理解しがたい挙動をする。 私は 3年半ほど前に BIND の異常動作 (高負荷環境下だとサービス起動に異常に時間がかかる) で徹夜する羽目に陥って以来、 BIND を捨てて djbdns を使うようになった。

djbdns の大きな特徴の一つに、 キャッシュサーバ (dnscache) とネームサーバ (tinydns) が分離している、 という点がある。 キャッシュサーバ、すなわちリゾルバからの問合わせを受けて、 他のネームサーバに再帰的に問合わせを行なうサーバは、 不特定多数からの問合わせを受付けるべきではない。 なぜなら、キャッシュサーバはその仕組み上、 攻撃に対して脆弱であり、 不特定多数に対してオープンにするのであれば、 嘘のレコードを覚え込まされてしまう 恐怖に怯え続けなければならない。

一方、ネームサーバは本来的に不特定多数に対してサービスすべきものである。 他ドメインからの問合わせ (主に他ドメインのキャッシュサーバからの問合わせ) に対して答えなければ役目を果たせない。 つまり、

  • キャッシュサーバは自ドメインのユーザからの問合わせに答えるサーバ
  • ネームサーバは他ドメインからの問合わせに答えるサーバ

であって、全く異なる役目のサーバである。 両機能を (BIND のように) 一つのプログラムで実現することは 大変なリスクをともなう。

私も djbdns に乗り換える前は BIND を使っていたのだが、 キャッシュサーバとネームサーバを分離し、 セキュリティを向上させるために様々な工夫をした。 この辺りの顛末は、 日経Linux に書いた連載の中でも紹介している:

2000年 5月号 第2回 「ネーム・サーバ (前編)」 pp143-148 (HTML 版)
2000年 6月号 第3回 「ネーム・サーバ (後編)」 pp133-140 (HTML 版)

djbdns だと、この連載で書いたような工夫をしなくても、 同等以上のセキュリティをデフォルトで実現できるので、 とても楽である。

キャッシュサーバとネームサーバそれぞれを別のマシンで動かすのであれば、 素直に djbdns を動かすだけで完璧なのであるが、 一台のマシンで両者のサーバを動かそうとすると、 少々工夫が必要である。 もし、そのマシンが複数の NIC (ネットワーク インタフェース カード) を 持っていて、 各 NIC に固定的に IP アドレスを割当てているなら、 話は簡単である。 異なる NIC それぞれに、 キャッシュサーバないしネームサーバをそれぞれ立ち上げればよい。 ところが IP アドレスが固定でない場合は少しやっかいである。

続きは次回に...

Filed under: システム構築・運用 — hiroaki_sengoku @ 08:34

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