仙石浩明の日記

2010年8月4日

HYBRID W-ZERO3 の解約に続き、ウィルコムADSL も解約した。さよならウィルコム! tweets

事業破綻の報道等で 「顧客 (サービス利用者) の保護」 という言葉をみかけることが多いが、 言語明瞭意味不明ワードの一つだと思う:

PHS の解約が予想以上に進み、 2月に 417万人だった契約者数は 6月末には 388万人に減った。 7月下旬に予定していた裁判所への再建計画提出も、 「環境が変わった」として 10月に延期していた。
管財人らは、顧客を守るためにも、再建には通信会社の協力が必要と判断。 XGPを引き受けるソフトバンクに、PHS事業への支援に加わるよう求めていた。

「顧客を守る」 などと書くと聞こえはよいが、 PHS サービス継続を望む顧客がどれだけいるかなんて、 「PHS の解約が予想以上に進」んでいることから明らかなはず。 現在 388万人(も) 契約者数が残っていると言ったって、 その大半は 2年縛りのせいで辞めるに辞められない人たちであって (私も 6月末時点だと契約者なのでこの 388万人に含まれている)、 現顧客にとって望ましいのはサービス継続じゃなくて 2年縛りを免除してあげることだと思う。

「顧客」 というと 「債権者」 というイメージが強いし、 この報道のように 「顧客を守る」 と書くとますます 「債権者たる顧客を守れ!」 というイメージが強調されるけど、 実状は 「辞めたいけど契約の縛りで払い続けざるを得ない債務者たる顧客」 と 「辞めていく顧客から少しでも多くの資金を回収したい債権者」 という (報道から受けるイメージとは真逆の) 構図であるわけで、 報道がいかに実状をゆがめたイメージを撒き散らしているかの一例だと思う。

私は丸 4年 (なのでちょうど解約可能なタイミングだった)、 ウィルコムの PHS サービスを利用してきた。 また自宅のバックアップ回線として 4年間近くウィルコムADSL を利用してきた。 なぜウィルコムだったかと言えば、 2006年当時まだ珍しかった 「スマートフォン」 W-ZERO3[es] を使いたかったから。 4年前ドコモショップで、 スマートフォンが使いたいから解約すると伝えたとき、 ドコモも近いうちにスマートフォンを出す予定 (hTc Z) と担当者が言っていたのを思い出す。

その後、 W-ZERO3[es], Advanced W-ZERO3[es], HYBRID W-ZERO3 と 3代続けて W-ZERO3 シリーズを使い続けてきたが、 HYBRID W-ZERO3 のあまりのデキの悪さ (そもそも電話の着信音 / バイブレーションが小さすぎて着信に気付けないのだから電話として失格) に幻滅し、 乗り換えを決意した次第。 輝かしい W-ZERO3 の歴史の最後の最後で欠陥品を出してしまうとは (私は使ったことがないが一つ前の WILLCOM 03 も失敗作だった?)、 いったいシャープに何が起こったのか?

iPhone を使いたいがためにソフトバンクに乗り換える人が圧倒的である昨今、 いまさら言うまでもないことだが、 (2006年ごろから?) 通信サービスは端末のオマケに成り下がったとつくづく思う。 いや、 端末ではなくコンテンツのほうがもっと大事だと言う人がいるかもしれないが、 そうなるのはもう少し先 (少なくともあと 3年くらい先)、 端末がコモディティ化した後の話だと思う。 少なくとも現時点では、 どんなに立派で魅力的なコンテンツでも、 それをユーザに届ける窓口である 「端末」 がヘタレであれば何の意味もない。

一般に解約するのは骨が折れる。 多くの場合、解約は電話のみの受付だったり、 解約通知書を郵送しなければいけなかったりと、いろいろ手間がかかる。 Web だけで契約が済んでしまう入会の時とは対照的。 しかも解約の方法は Web を丹念に見ていかないと見つけられなかったりする。 退会率を下げたいという事業者側の気持ちも (職業がら) もちろん分かるのだが、 解約方法を分かりにくくすればするほどサポートコストは増えるしユーザ満足度も下がるわけで、 結局事業者自身の首を絞めることにしかなってないと思う。

特に、 ウィルコムADSL の解約は大変だったので以下にメモ:

まず何より、Web に 「ウィルコムADSL」 の解約方法が書かれていない。 少なくとも 「ウィルコムADSL 解約」 で検索しただけでは適切なページを見つけられない。 どこに電話すべきか、 あるいはウィルコムプラザ (って神奈川県に一ヶ所しかないのか) に行く必要があるのかすら書いていない。 しかたないので総合窓口 0120-921-156 に電話してみたら、 本人認証を行なって解約理由まで聞いておきながら、 「この電話では解約を承れない、今から電話番号をお伝えするのでかけ直して欲しい」 などとおっしゃる。

こちらは最初から 「ウィルコムADSL を解約したい」 と伝えているのに、 10分以上かけていろいろ調べて手続きした挙げ句に 「かけ直せ」 だったので呆れてしまった。 おそらく 「ADSL」 が自分の担当範囲外であることすら分からない程度の知識で電話オペレータをやっているのだろう。 「ウィルコムADSL を解約したい」 と私が言っても、 「ウィルコムを解約したい」 に脳内で勝手に変換して聞いていたのではないか。

まあ、 コールセンタの電話オペレータのレベルなんて、 ウィルコムに限らずそんなものなのだろうが、 だからなおさら、 何でもかんでも電話オペレータが判断しなくても済むように Web を充実させてお客に勝手に判断させたほうが、 お互いハッピーになれるだろうにと思う。

ウィルコムADSL に関することは、 データ通信に関するお問合わせ番号 0120-921-157 に電話すべきだったようだ。 メインメニューの 4番に 「ウィルコムADSL サービス」 があり、 その中のサブメニュー 2番に 「お申込・ご変更」 がある。 しかしここには 「解約」 の文字はない。

メインメニュー 3番のサブメニュー 2番には 「解約」 の文字があるが、 これはあくまでウィルコムの PHS データ通信の解約で、 eAccess のサービスであるところのウィルコムADSL とは関係ないのだろうと予想し、 メインメニューの 4番のサブメニュー 2番を選択し、 解約したい旨を伝えた。 すると、 「解約したいのはウィルコムの音声通話/データ通信サービスではなくて、 ADSL ですね?」 と聞き返された。 少なくともここのオペレータ (だけ?) は ADSL サービスが PHS サービスとは別に存在することを理解しているようだ。

ところが契約者が妻であることを伝えると 「契約者本人でないと解約できない」 などとおっしゃる。 そもそも契約したときだって私が妻の名義で契約した (^^;) のに、 なぜに解約の時だけ本人でないとダメなのか? とは思ったが、 たまたま隣に妻がいたので、電話を代わってもらう。 そうしたら住所と生年月日を確認しただけで 「本人認証」 が完了してしまい、 再び電話を代わる。 もちろん私だって、 妻の住所と生年月日くらいは知っている。 あまりの無意味さに妻も憮然としていた。

ウィルコムADSLサービスは 「年間契約」 での加入だそうで、 1年間の契約期間中の解約は 2100円を請求するとのこと (1年超の場合。契約から1年以内の解約の場合は 4200円)。 月額料金 (2585円) より安いので躊躇せず今月〆日での解約を申し込む (日割精算も可能)。

すると解約日から 10日以内にモデム Aterm WD735GV を、 AC電源アダプタおよび縦置きスタンドと共に返却せよなどとおっしゃる。 なにぶん 4年近く使い続けたモデムなので送られてきたときの箱がまだあるかどうか... 見つからなければ適当な梱包材を準備しなければならない。 しかも送付先は今から口頭で伝えるのでメモしろとのたまう。 きょうび住所を電話で聞かされる羽目になるとは思ってもみなかった。

「かけがわし しもまた」 などと馴染みのない地名を口頭で言われて、 すぐメモできる人がどれだけいるというのか (文字で書くと簡単そうに見えるが、 声で聞くと 「かけがわ」 だか 「たけかわ」 だか聞き分けにくい)。 「『かけがわ』は掛け布団の掛けに川、 『しもまた』は上下の下に水俣の俣」 などと言われながら (こんな表現を聞くのは何年ぶりだろう? 昔の人はフツーにこういう効率の悪いことをやっていたのだろうけど)、 何度も聞き返しながら苦労して書き取ったので掲載:

〒436-8501 静岡県 掛川市 下俣 800
NECアクセステクニカ株式会社 SL製造部 レンタルグループ
TEL 0537-23-1164

この住所で検索してみると、 eAccess の モデム返却先ページが見つかった。 ウィルコムADSLサービスの Web サイト内に、 同様のページを作るか、 eAccess へのリンクを貼っておけば済む話なのに、 電話で口頭で伝えようとするからコールセンタの人件費は余計にかかるは、 ユーザ (つまり私) の満足度は著しく低下するはで、 何一ついいことがない。 さらに言えば、 10日以内に返却する必要があるならその旨と、 同梱すべきものや梱包方法などと一緒に Web ページに記載してあれば、 解約申込みをする前に余裕を持って準備することができただろう。

ちなみに、 「返却 NECアクセステクニカ SL製造部 レンタルグループ」 で検索すると、 同型モデムを利用している各プロバイダのモデム返却ページが続々と見つかる。 ODN, DTI, Biglobe, So-net, @T COM, @nifty, hi-ho, ASAHIネット,... 等々、 数多くのプロバイダがきちんと解約手続きの方法を Web で説明している中、 ウィルコムADSL だけ(?)が解約方法に全く言及していないのはいかがなものか。

Filed under: その他 — hiroaki_sengoku @ 08:07

3 Comments

  1. ウィルコムの減少分はデータ通信分野で、音声は好調という話もある。
    減っているからツブして大丈夫、という論法はちょっと乱暴なのでは。

    Comment by とおりすがり — 2010年10月1日 @ 16:04

  2. ウィルコム、潰れてくれよ、頼むから。

    Comment by 匿名 — 2011年2月11日 @ 17:19

  3. 今日ウィルコムのADSLを解約しました。
    ADSLモデムの返却先の電話番号が下記の通り変更になったようです。
    0537-23-9693

    Comment by Haseguru — 2011年9月17日 @ 14:43

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