仙石浩明の日記

2015年11月24日

自分戦略 〜 なぜ成功できないのか?

昨年に続き、 今年も立命館大学で 2, 3回生の学生さん達に講義する機会を頂きました。 就職を目前にした学生さんが自分の進路を考えるにあたって、 社会人の話を聞いて参考にしようという趣旨のカリキュラムのようです。 私は 8人目、 ちょうど真ん中あたりだそうです。

「社会人の話」 というと実際にどのような仕事をしているかとかの、 会社視点の話が多くなりがちだと思いますし、 学生さん達もそういう話を期待していると思うのですが、 あいにく私は現在は働いていません (^^;)。 会社を辞めたのは 2011年ですが、 それまでの 11年間も取締役だったので、 いわゆるサラリーマン的な働きかたをしていたのは 15年以上も昔 (前世紀!) の話で、 すでに忘却の彼方です。

こんな状況で仕事の話はできるわけはなく、 ならばいっそと、 会社視点の話はヤメにして会社と対峙する一個人の視点からお話ししました。 会社で研究者・技術者としてバリバリ専門的な仕事をしている人たちの話とは毛色が違いすぎて、 戸惑っている学生さん達も多かったようですが (40代で働いていない、 というのは学生さんにとってそれなりのインパクトがあるようです)、 学生さん達がこれからの人生を考える上で多少なりとも参考になれば幸いです。

これから社会人になろうとする学生さん達がまずやるのは 「自分探し」 「自己分析」 で、 さらに自分のこれからの人生を切り拓くための戦略を考えたりするそうです。 「自分戦略」 をググると、 「自分のやりたいことを明確にし、それを実現するための手段を練ること」 などと出てきます。

私が学生の時、 自己分析したり戦略を練ったりしてたかなぁ? ぜんぜん思い出せません。 コンピュータにのめり込んでコンピュータを自作してしまったり、 授業そっちのけでソフトウェア開発のアルバイトに没頭したりした記憶はあるのですが、 将来のことなど考えたことは無かったように思います。

私が新卒で就職したのはバブル崩壊真っ只中の 1992年です。 就職氷河期 (1993年〜) に入る直前にギリギリ滑り込みました。 その後の世代と比べれば恵まれた時代だったのでしょう。 とはいえ、 就職でラクをしたぶん昨今ではバブル世代と揶揄されて、 厳しい社会人生活を余儀なくされている人も多いようですが。

そんな中で私が今でもラクできているのは何故なのか? 振り返ってみると、 将来のことを考えなかった割に、 実はとても 「戦略的」 な人生を歩んできたように思います。 「結果論」 とか 「後講釈」 のように見えるかもしれませんが (^^;)、 私の実例を 「単に運が良かっただけ」 と切り捨てるか、 「自分戦略」 として参考にすべき点があるか、 判断は読者のみなさんにお任せします。

私と違って、 いまの学生さん達は 「自己分析」 とかに余念がなく、 それはとても結構なことだと思うのですが、 「自分のやりたいこと」 ってそんなに明確ですか? 「なりたい自分」 と 「やりたいこと」 を混同してませんか? 私にとって 「研究者」 は 「なりたい」 職業でしたが、 研究は 「やりたいこと」 ではありませんでした。 (アルバイトの経験を除けば) まだ働いたこともないのに、 これからどんな仕事をしていきたいのか明確なはずはないと思うのです。 自己分析をすればするほど分からなくなる、 あたりが関の山じゃないでしょうか?

で、 実際の会社選びとなると、 (学生さん達の間で) 人気がある企業とか、 初任給 (or 平均給与) が高くて福利厚生がよい企業とか、 職場環境がよい企業とか、 ブラック企業は何としても避けなければとか、 「自分戦略」 というお題目とは裏腹に、 えらく近視眼的で、 自分の将来どころか数年先すら見通せていないのが現状ではないでしょうか?

自分戦略?

・ 「自分のやりたいことを明確にし、それを実現するための手段を練ること」
・ やりたいこと?
  - 将来も、やりたいことが変わらないのか?
  - 何が向いているかも定かでないのに
・ やりたいことをやって、その後は?
  - 体力が衰えて同じようには働けなくなる
・ とりあえず給料の高い会社へ就職
  - 福利厚生・職場環境がいいところ?
  - 社会貢献できるところ?
・ 将来どころか数年先すら見通せていない
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初任給が高くてもその後の昇給ペースが遅ければ意味がないし、 平均が高くても自分の給料が平均以下なら意味がないし、 平均が低くても自分の給料が高ければ問題無いわけです。 職場環境だって、 会社の中での立場が変われば変わってきます。 新卒入社一年目の社員から見れば快適な職場環境が中堅社員から見ると最悪だったり、 極端な話、 誰が自分の上司になるかで大きく変わることもあります。

そもそも、 現在の 「やりたいこと」 を一生続けたいですか? みなさんが今から 10年前、小学生だった時に 「やりたい」 と思っていたことが、 今でも 「やりたいこと」 なのか考えてみれば明らかでしょう。 今から 10年後には、 今とは全然違うことが 「やりたい」 と思っているかもしれません。

「やりたいこと」 を一生続ける?

・ やってみたら実際は違った
  - プログラミングじゃなくてニーズの汲み上げ
  - 経験を積むと嗜好は変わる / 体力は落ちる
・ そもそも幸せな人生とは?
  - ネガティブにならないこと
  - ネガティブの根本にはいつもお金の問題
  - お金の召使いになってはいけない
・ 年功序列の崩壊
  - 「やりたいこと」 だけでは老後破綻一直線
  - みんなが年金を頼ると国家破綻一直線
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それなら、 今 「やりたいこと」 よりも、 「やりたい」 ことを見つけた時に、 それを 「やれる」 自由度こそが重要ではないでしょうか?

社会人を何年もやっていれば、 予想できない偶発的なことがいろいろ起きます。 その中には自分のキャリアを大きく左右するような事象もあることでしょう。 その偶発的な事象を 「計画的に導くこと」 で、 自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方が、 ジョン・D・クランボルツの 「計画的偶発性理論」 です。

成功者を見ると、 「あの人は運が良かった (だけ)」 と思ってしまい、 運に恵まれない自分は決して同じようにはなれないと、 諦めてしまう人が多いのだと思いますが、 運が良くてもその運を活かせなければ成功できません。 「運に恵まれない」 のではなく、 せっかく訪れたチャンスに気付いてないだけかもしれませんよ? 「チャンスは備えあるところに訪れる」 のです。

人生には分岐点が沢山あります。 たとえ八方塞がりに思えるドツボな状況に陥ってしまっていても、 その後の分岐点で最適な選択さえできれば、 ピンチが逆にチャンスになったりします。 ただしそれは、 分岐点に選択肢の幅が十分にあればの話です。

ところが大多数の人はこの 「選択肢」 を進んで捨ててしまいます。 「やりたいこと」 があっても、 いろいろ言い訳 (「時間がない」 「お金がない」 「自分の今の実力ではムリ」 等々...) して挑戦を躊躇います。 ぐずぐずしているうちに歳をとり、 選択肢がどんどん狭まっていくわけです。 なにごともやってみなきゃわからないと思うのですが、 やるまえから 「どうせダメに決まってる」 と諦めてしまっていては選択肢は広がらず、 成功を遠ざけてしまいます

また、 実際やってみてダメだったとしても、 果敢に挑戦することによって新たな選択肢が現れてきます。 まさに失敗は成功の元ですね。 「運が良い人」 というのはそうやって 「運を引き寄せる」 のです。

(戦略1)
選択肢を減らさない

・ 「自分のやりたいこと」 って明確じゃない
  - 「自分探し」 は時間の無駄
  - いろいろ学ぶと興味が持てることが変わってくる
  - やりたいことは手当たり次第やってみるべき
・ リスクを取らないリスク
  - 「みんなと同じ」 はリスク最大
  - 歳をとるごと選択肢は容赦なく減っていく
・ 別の道へ変更する選択肢は残しておく
  - 最悪の事態を常に想定する
・ 計画的偶発性理論
  - チャンスは備えあるところに訪れる
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選択肢を減らさないようにして (戦略1) 運を引き寄せることができたら、 次に必要になるのが運を活かす能力です。 多くの業界において一番重要な能力は 「論理的に考える力」 でしょう。 ところが現代の学校教育は、 この 「考える力」 を伸ばす点においてあまり有効ではないようです。

より正確に言うと、 考える材料をたくさん提供している点においては有効なのですが、 それはあくまで元々考える習慣を持っていた学生さんに対してのみ言えることであって、 義務教育の課程で考える習慣を身につけることができなかった学生さんは、 高等教育において、 ますます考えなくなってしまうという悪循環に陥っています。

極めつけは、 会社選びで 「自分の気持ちを大切に」 などと言う人ですね。 自分の将来という一番合理的に考えなければならない時に、 それも高等教育をちゃんと受けた人が、 「自分の気持ち」 すなわち感情を優先するなんてアリエナイと思うのですが、 いったん考えなくなってしまった人たちは、 自分の気持ちに従うことをオカシイとは思えなくなってしまうようです。

誰でも (どんなに地頭のいい人でも) 一人では考える力を伸ばすことはできません。 なぜなら 「考えたつもり」 に陥って、 そこで思考停止してしまうからです。 自分の考えを他人に話したり書いたりして、 他人から何らかの反応 (批判とか) を受け取って初めて考えるきっかけが生まれるのです。 自分の考えを文章にしてみるだけでも、 自分がどのくらい考えているか (あるいは考えていないか) 分かる場合もあるでしょう。

たとえば、 「答がある問題を解いているだけでは考える力を伸ばせない」 と言ったりしますが、 なぜ 「答がある問題」 じゃダメなのか考えたことはありますか? 「現実の社会は答が無い問題ばかりだから」 という説明で満足してしまっていたとしたら要注意です。 現実社会の問題に答が無いからと言って、 答がある問題を解く練習が役に立たないことにはならないですよね? 中途半端な説明で満足してしまっているのは、 「分かったつもり」 そのものです。

だから、 授業を聞いているだけではダメなんです。 分かっているつもりで聞いていても、 いざそれを自分の言葉で表現しようとしたら、 ぜんぜん言葉が出てこないなんてことがよくあります。 学校教育で考える力が伸びない理由がここにあります (もともと考える力があった人は教えなくても伸びるのでここでは除外して考えます)。 言いたいことがあれば先生の話を遮ってでも発言し、 自分が 「考えたつもり」 に陥っていないか常に確認する必要があります。

幸い、何を言っても許されるのが学生の特権です。 社会人だとキャリアに終止符を打ってしまいかねない発言すら、 学生なら 「若いから」 ということで許されてしまいます。 どうかこの特権をフルに活用して、 「自分の考えを発言する」 習慣を、 学生のうちに身につけてください

はじめに

・ ぜひ、この場でしかできないことを
  - 聞くだけなら、私のブログを読むだけで充分
・ 分からないことはすぐ質問
  - あとでググればいいやなどと思わないように
・ 言いたいことがあればすぐ発言
  - うまく言おうとしないこと
  - 最初は誰だって下手くそ。場数を踏んで上手くなる
・ 空気を読んではいけない
  - こんな発言したら浮く?とか考えていてはダメ
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ハワード・ガードナーの多重知能理論によれば、 人間は進化の過程で

  1. 言語的知能
  2. 論理数学的知能
  3. 音楽的知能
  4. 身体運動的知能
  5. 空間的知能
  6. 対人的知能
  7. 内省的知能
  8. 博物的知能

の8つの知能を発達させてきたとされます。

このうち、科学技術とりわけ IT 技術の進歩により 2, 4, 8 の知能はどんどん重要ではなくなりつつあります。 あと 10年ほどで大半の職業が消えるとか言われていますね。 また、現代社会においては (特定の職種を除けば) 3, 5 は、 さほど重要とは言えないでしょう。

残るは 1, 6, 7 ですが、 なかでも他の知能を伸ばすメタ知能ともいえる 「7. 内省的知能」 が一番重要でしょう。 すなわち、自分自身の 「心」 を理解してコントロールする能力です。 7 の能力を他者に対して発揮すれば 6 になりますし、 1 が重要なのは主に 6 のためですから、結局 7 が一番重要ということになります。

現代社会では何かというと 「自分の気持ち」 を重視する傾向 (自分の気持ち至上主義) がありますが、 自分の気持ちのままに生きれば、 内省する機会は失われてしまいます。 知能は繰り返し発揮することにより伸びるものですから、 内省する機会があまりなければ、 内省的知能が未発達のまま成長してしまうことになります。

(戦略2)
合理的に考える

・ 「お気持ち」 至上主義
  - 「いまのお気持ちは?」
  - 自分の気持ちを大切にしていてはダメ
・ もっと頭を使おう!
  - 使えば使うほど頭はよくなる
  - 授業を聞いているだけではダメ
・ 金融リテラシー = 「恐怖と欲望」 のコントロール
  - 内省的知能
失敗は成功の元
  - 成功できないのは 「失敗」 が少なすぎるから
  - リスクを負わなければ失敗も無い
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運を引き寄せ (戦略1)、 運を活かす能力を磨いたら (戦略2)、 最後に必要になるのが 「敵」 を知ることです。 これから社会に出ていく学生さんが、 当の社会のことを知らなければ出だしから躓くのは必至です。

残念なことに、ここでも学校教育はあまり有効ではありません。 先生がたは社会の矛盾点・問題点を追求することがお好きなようです。 もちろん批判的精神は重要ですし、 社会のあるべき姿を論じ、 学問の力で社会をよりよい形へ変革していくことは大学の使命とも言えるでしょう。

しかし学生さんはその 「社会」 の中でこれから生き抜かなければならないのです。 すでに 「エスタブリッシュメント」 な先生がたなら、 社会を批判しているだけでも周囲から一目おかれますが、 体制の後ろ楯もなく、 何の権力も持たない学生さんがいきなり社会を批判したって、 返り討ちに遭うだけです。 学生さんに今必要なのは、 理想社会の戯言ではなく、 現実の矛盾だらけ欠陥だらけの社会が実際にどう動いているか、 そして丸腰でそういう社会に飛込んで生き抜く方法です。

言うまでもなく現代社会は資本主義社会です。 お金の仕組みを知らずに社会に出ていくことは、 カモがネギをしょって出ていくようなものだと思うのですが、 どうして先生がたはそれを止めようとしないのでしょう? 特にウブな理系の学生さんは、 「優れた技術は高い給料で報われるべき」 などと考え、 社会に出ても自身の技術を磨くことばかりに夢中になってしまいます。 こういう勘違いは実に悲劇的だと思うのですが...

仮にも最高学府で学んでいる学生さん達が、 「努力は報われる」 などといったような素朴な労働観をいまだに持っていることに、 あらためて驚かされます。 製造業 (あるいは農林漁業) が産業の中心だった時代ならば、 労働者一人一人の 「努力」 が生産量の多寡に反映したこともあったでしょう。 労働者にとっても自らの努力の結果が目に見えるので、 努力の方向を間違えることはありません。 生産量が多い労働者の稼ぎが増えるのは合理的ですし、 周囲の納得感を得ることも難しくありません。

しかし今や企業の利益は数多くの労働者の連係プレーによって生み出されています。 技術者だけではお金にはなりません。 努力の結果がすぐに利益の増大という形で見えることは稀で、 あさっての方向の努力をしてしまうことも珍しくありません。 誰がどのくらい利益に貢献しているかなんて (合理的に) 測定することは不可能でしょう。 誰もが納得する利益配分なんて、 それこそ人月で測るくらいしか無いのが実状です。

努力の方向がズレていて残業ばかりしている (傍目には一生懸命努力しているように見える) 人と、 的確な判断のもと効率的に仕事を進めて短時間で仕事を終える (傍目にはあまり努力していないように見える) 人と、 どちらを評価すべきでしょうか? もちろん後者の方が会社に貢献しているのですが、 前者を冷遇すると納得感が失われて社内に不満が溜ります。

つまり、 資本主義が言うように、 給料は労働の対価ではなく、 単に労働力の再生産 (つまり労働者が次の日も納得して働いてくれること) に必要な 「コスト」 に過ぎません。 労働者の技術の優劣と、給料の高低との間に、直接の関係はありません。 もちろんモチベーション向上のために関連性を 「演出」 することはありますが、 結局のところ給料は多くの人が納得する 「相場感」 で決まってくるのです。 努力が報われないなんて、 そんな社会は間違っている!と思いたい気持ちは重々分かりますが、 実際の社会はそういう仕組みなのですから否定したところで始まりません。

努力を認めてもらいたければ、 「努力は報われるべきだ」 なんて受け身なことを言ってないで、 戦略的にアピールして昇給を勝ち取るべきです。 その際、 「労働力を売らない自由」 (後述) があると昇給交渉をより有利に進めることができるでしょう。

(戦略3)
(社会に出る前に) 社会を理解する

・ 学校では社会の問題点ばかりを学ぶ
  - 社会を変えようとする人ばかり量産している
  - 学問の力で社会を変革する、それは大事だけど…
・ 現実の社会=お金の仕組み
  - お金の仕組みを理解しないと搾取される人生に
  - 社会を知らない学生さんは 「カモネギ」
・ みんなの勘違い
  - 優れた技術には高い給料で報いるべき?
  - 給料は労働の対価ではない!
  - 搾取 ≠ ブラック企業
・ 労働分配率が上がっても消費へ回してしまう
  - 搾取され続け、一生 (嫌々) 働き続ける羽目に
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学生さんにとって、 とりわけ喫緊の課題は資本主義社会における 「搾取」 の構造です。 現代における 「搾取」 を正しく理解しない限り、 搾取の餌食になってしまいます。 社会を変革するどころか、 その遥か手前で力尽きてしまうことでしょう。

搾取というとすぐブラック企業を思い浮かべる人が多いと思いますが、 ブラックのレッテルを貼られた企業の業績があっと言う間に悪化したように、 給料を安く抑えようとする手法 (サービス残業とか名ばかり管理職とか) は現代社会においてはあまり賢いやり方とは言えません。 本当の、そして最も警戒すべきは、 搾取と気付かれないだけでなく、 むしろ進んで搾取されることを多くの人が望むような搾取です。

資本主義社会において労働者の立場が弱いのは、 自身の労働力を売らない自由が無い (辞めると生活できなくなる) からです。 通常の売買契約でも売り手が (安い価格でも) 売らざるを得ない (閉店時間間際の生鮮食料品売場とかが該当しますね) のであれば (足元を見られて) 損をするように、 労働力を売らないという選択肢が無ければ、 労働条件に不満があっても受け入れざるを得ません。

したがって、 半年くらいは働かなくても生活できる程度の貯金 (数百万円?) さえあれば、 労働者の立場は劇的に改善するはずです。 しかも、 昨今は給料を安く抑えようとすると、 すぐ 「ブラック」 のレッテルを貼られてしまいますから、 給料が生活費ギリギリということはあまり無く、 本来ならば貯金にまわす余裕があるはずです。

ところが、 給料が上がっても同じくらい支出も増えてしまってほとんど貯金できない、 という人がほとんどのようです。 給料半年分どころか、100万円の貯金すら無い人が多いとか。 いったい何にそんなにお金を使っているのでしょうか? 初任給が 300万円/年だった人が 400万円/年に昇給して、 何年たっても 100万円すら貯金できないというのは意味不明です。

お金をついつい使ってしまう人に是非考えてほしいのは、 資本主義の世の中では、 いかに消費者にお金を使ってもらうか必死に考えている人が大勢いるってことです。 ほとんど全ての場合において、 お金を使いたいと自発的に消費者が思っているのではなくて、 お金を使わせたいとあの手この手で誘惑している人がいて、 消費者はまんまとその策略に乗せられてしまっているだけなのです。

お金を使う決断をする前に、 はたしてその金額が自分の身の丈に合っているか考えてみるべきでしょう。 給料が少なかったときはお金を使わずに我慢できていたことであれば、 それは決して必需品ではありませんよね? 知能が先天的なものか後天的なものか本当のところはよく分かりませんが、 たとえ先天的なものが支配的であったとしても、 マシュマロを我慢する自制心は鍛えるべきだと思います。 「子どもでも大人でも自制心を育むことは可能」なのですから。

支出を増やしてしまうこと以上に問題なのが借金することです。 年収の 5倍もの借金をかかえて、 借金を返すためだけに働いているような人もたくさんいます。 まさに銀行の 「奴隷」 ですね。 なぜ身の丈を大きく超えるような金額の住宅を買わせようとするのでしょうか? 言うまでもなく巨額のローンを組ませて銀行が儲けるためです。

労働者が生み出した剰余価値を奪うことによって、 労働者を労働者階級に固定化することを搾取と定義するなら、 こうした貯金させない社会の仕組みこそが現代の搾取と呼ぶにふさわしいと思います。

(戦略3)
お金の仕組み

・ 給料とは労働力の再生産のためのコスト
  - 「努力は報われる」 はプロパガンダ
  - 報われるのはリスクを負った人のみ
・ 生産者になる前に一人前の消費者に
  - 小学生のころから消費の仕方を学ぶ
  - 時給アルバイトは時間の切り売り。生産ではない
・ 消費の誘惑に満ち満ちている = 搾取の構造
  - なぜ銀行は住宅ローンを勧めるのか?
  - なぜ保険会社は保険を勧めるのか?
・ 資本主義=労働者から生産手段を分離
  - 生産手段 (知能) を取り戻せ!
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以上 3点が、 私が意識せずに実践していた 「自分戦略」 です。 意識していなかったくらいですから大したこととは思っていなかったのですが、 ネット時代になって貯蓄額の世帯分布などを手軽に参照できるようになった昨今、 私と同じくらいの給料をもらっていたはずの人たちにおいても、 大した貯金があるわけではないことを知り、 驚いている次第です。

最初の 100万円を貯めるだけでも労働者としての立場は格段に向上するわけで、 強くなった立場を背景に給料交渉を有利に進めて自身の労働力の価格をつり上げ、 加速度的に貯蓄額を増やしていけば、 労働者階級を脱出する (= 働かなくても当面の生活には困らないし、 やりたい仕事を選べる) ことも現実的な目標となるはずです。 それなのに、 なぜ大多数の人が同様の戦略をとることができないのでしょうか?

「戦略1」 (選択肢を減らさない) は、 自分の適性を知るための戦略です。 世の中は 「自己分析」 が流行りですが、 ちゃんとしたコンサルタントとかに相談するならともかく、 素人の学生さんが一人でやってマトモな分析ができるはずはありませんよね?

「自分のことは自分が一番分かっている」 という思い込みが、 「戦略1」 を実践する障害になっているのではないでしょうか? 実際は、 自己評価より他人からの評価のほうが正しかったりするわけです。 こと自分のことになると、 心理的な防衛本能が働いて真実の姿が見えにくくなります。 自分のことを知るには、 あれこれ考えるより、 やりたいと思うことを実地にやってみるべきです。 とことんやってみれば自分の能力の限界がどのあたりにあるかも、 見えてくることでしょう。

「戦略2」 (合理的に考える) は、 自分の知能を向上させるための戦略です。 小学校から大学まで 16年 (大学院までいけば 18年も!) 学ぶのに、 考える機会がほとんど無いことに驚かされます。 学んでばかりいるから考える機会が失われているのかもしれません。 まさに 「学びて思わざれば則ち罔し」 ですね。

「考える」 という言葉は誰もが気軽に使いますが、 実際のところどこまで考えているでしょうか? ほとんどの場合、 考えているのではなくて悩んでいるだけだったりします。 自分の考えを主張している時ですら、 他の人の意見の受け売りに過ぎなかったりしますし、 そもそも 「自分の考え」 を表明する機会ってほとんど無いように思います。 facebook だって、 「今どんな気持ち?」 ですし。 ふつーに生活している限り、 気持ちを聞かれることはあっても、 考えを聞かれることは皆無ではないでしょうか?

映画 「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」 で、 「あなたの本当のお気持ちは?」 と聞かれたときのサッチャーの答がふるってます:

なに
私の気持ちってどういうことかしら
最近は考えより気持ちね
どんな気持ち
なんだか気持ち悪いわ
すみません我々の気持ちとしては
これは今の時代の大きな問題ですよ
人々は感情にばかり左右されて
考えやアイディアなんかはどうでもよくなって
本当に面白いのは
考えとかアイディアなのに
私が何を考えているか聞いて

このあと、 例の有名な 「自分の考えが言葉になる、言葉が行動になる、行動が...」 が続くのですが、 そこでは 「考え」 と 「気持ち」 が混同されていて、 私は何だか気持ち悪く感じます。 前段 (上記引用部分) と 後段 (自分の考えが言葉になる...) は、 同じ人の言葉とは思えません。 まあ、後段は 「父の口癖だった」 のかもしれませんが。

斯くして考える習慣がある人はどんどん知能を向上させていき、 習慣が無い人はどんどん差を付けられていく、 という二極化が進んでしまっているのでしょう。 経済的な格差ばかり注目される昨今ですが、 本当の格差は 「知能」 の格差であって、 経済的な格差はその派生物に過ぎません。

そして 「戦略3」 (社会を理解する) は、 金融リテラシーを身につけるための戦略です。 社会に関する誤った常識が、 社会の本質を理解する妨げになります。 お金を使わせたいと誘惑する側が、 誤った知識を広めようとしているのも、 妨げになっていますね。

誤った知識とは、 例えば 「賃貸より購入の方が良い」 といったようなものです。 その 「知識」 を広めようとしている人 (マンション開発業者とか不動産屋とか銀行とか) が、 その知識が広まることで利益を得ているならば疑ってかかるべきでしょう。 「毎月家賃を払い続けても永遠に家は自分のものにならないが、 ローンなら完済すれば家が自分のものになる」 などと言われて騙されてしまう人が沢山います。

家賃を払う人には安い家に引っ越して負担を減らす自由がありますが、 ローンを抱えている人には負担を軽減する自由はありません。 つまり選択肢を減らしてしまっているわけです。 したがって、 「購入 VS 賃貸」 という比較はナンセンスです。

「戦略3」 を実践する最大の障害が、 お金にまつわる感情です。 ほとんどの人が、 「お金がなくなる恐怖」 と 「お金がもっと欲しいという欲望」 の二つの感情に支配されていて、 お金について合理的に考える余裕が無くなっています。 これでは金融リテラシーを身につけることはできません。

「お金になんか興味はない」 「仕事が好きだから働いているんだ」 と言う人もいますが、 そういう人は今の仕事が好きでなくなったら、 働くのを辞めるのでしょうか? 辞めても生活に不自由しないのであれば問題ありませんが、 多くの人はそうではないはずです。 つまり 「興味がない」のではなくて、 お金について本当は考えなければならないのに、 それを直視できていないだけです。 心理学で言うところの 「否認」 ですね。 「仕事が好きだから働いているんだ」 は 「合理化」 (防衛機制の一つ) でしょう。

なぜ戦略的に動けないか?

・ 戦略1 ⇒ 自分の適性を知る
  - 自分のことは (他人のことより) 知るのが困難
  - 心理的な防衛機制が働く
・ 戦略2 ⇒ 論理的に考える力を鍛える
  - 直観や気持ちを優先してしまう
  - 自分の考えを発表する機会が皆無
・ 戦略3 ⇒ 社会の本質を見抜く
  - 「常識」 に囚われてしまう
  - 大人たちが 「カモネギ」 を狙ってる
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以上のように、 この 3点の戦略には、 それぞれ実践を難しくしている要因がありそうです。 ではなぜ私は実践できたのか?

やりたいことは先送りにせず、 とことんやってみる性格だったのが大きいように思います。 当時は計画的偶発性理論など知らなかったのですが、 何かやりたいと思うより先に行動していました。 やりたいと意識しないうちに、 気が付くと既にやっているみたいな感じで。 また、 知らないことを見つけるとすぐ首を突っ込んでいました。 コンピュータ分野に限らず、 数学、物理学、哲学、社会学、果てはテニスに至るまで、 自分に向いてるかどうかなんて考えずに、 やれるところまでやってみる、 ということを繰り返していました。 戦略1 (選択肢を減らさない) ですね。

中学校 (1979年) の部活動でマイコン部 (当時 PC は 「マイコン」 と呼ばれていました) に入ったのですが、 そのオリエンテーションで BASICっていう言語を使ってプログラミングをするという話を聞いて、 その日のうちに都心の一番大きい本屋へ出かけていって、 当時一冊しかなかった BASIC の入門書 「BASICで広がる世界」 (CQ出版社, 1979年発行) を買って一気に読み、 次の日にはもうプログラムを書き始めていたほどです。

子供のころから好奇心旺盛だった私ですが、 実を言うと考えることは不得手でした。 小学生の時はよく 「分かったつもり」 に陥っていました。 学校のテストで答案によくデタラメを書いたものです。 しかもデタラメを書いているという意識はなく、 自分は分かっていると思い込んで、 正しい答を書いているつもりだったのです。 中学一年生のとき数学のテストで赤点 (30点未満) をとったこともあります。

ところが中学生になって、 とても優秀な同級生が現れたのです。 彼は、一を聞けば十を理解する。 あまりに早く 「分かった」 というので、 信じられずに残りの九を説明しようとすると、 先回りして答えられてしまったほど。 そんな彼が 「分からない」 を連発する。 つまり 「分かった」 と言うのも早いが、 「分からない」 と言うのもとても早かったのです。

そんな彼を見て、 私は 「分からない」 と言えるのはカッコイイことなんだと思うようになりました。 なんとかして自分も、 「分からない」 と言えるようになりたい、 と思ったのでした。 いま思えば、 これが私の人生の転機だったのかもしれません。 戦略2 (合理的に考える) ですね。

以来、 考えるのが好きになり、 大学受験に失敗したのをいいことに、 浪人中の一年間に弁証法とか資本論とかの難しそうな本 (といっても初学者向けの教科書ですが) を手当たり次第に読みまくりました。 難しそうなテーマであればあるほどチャレンジしたくなったのです。 これが資本主義についてもっと知りたいと思うきっかけになりました。 戦略3 (社会を理解する) ですね。 実はこの時、 人文系の本を読みすぎたせいで、 文系へ転向しようかと思ったほどです。 プログラミングの方が好きだったので思い止まり、 結局一年目と同じ情報工学科を再び受験したのですが。

今から思うと、 お金を稼ぐ前に社会の勉強を始めたのは幸いでした。 浪人中はお金が無かったので、 消費したいという欲求が全く起きなかったし、 資本主義について学び始めた後は、 「搾取の構造」 を理解したので消費の誘惑に負けなくなったのです。 収入が増えても消費は増えなかったので、 収入の増分を丸々貯金することができました。 もし現役で大学に合格していたら、 順序が逆になって、 勉強を始める前にアルバイトでお金を手にして、 搾取の罠にはまっていたかもしれません。

いっぽう、 大学生のときパソコン通信や JUNET を知って (1989年)、 これを駆使すれば個人でも有名になれると思ってからは、 どうやって自分を売り込めばいいか考えるようになりました。 企業にとってブランドが最重要であるように、 個人にとってもブランドが資産になると考えたのです。 合理的に考えれば当たり前のことですよね。

もちろん最初は何をすれば自分を売り込めるのか見当もつかなかったのですが、 いろいろ試行錯誤しているうちに、 それなりに注目を集めることもできるようになり、 初めて書いたオープンソース・ソフトウェアである stone は、 そこそこ有名になりました。 私は 「stone の開発者」 として多くのかたに覚えていただけるようになったのです。 stone は私にとって最大の 「資産」 (収入をもたらす源) と言っても過言ではないでしょう。 無料で配布しているソフトウェアが最大の資産ってのが面白いですね。

浪人生の時に資本論をかじったこともあって、 大学生になってアルバイトで数十万円の貯金ができると、 すぐ株の売買を始めました (当時はオンライン取引というとファミコン・トレードだけで、 電話をかけて口頭で売買注文を出したり、 証券会社の窓口で注文したりしていました)。 当時 NTT が株式を公開 (1987年2月9日) したり、 ブラック・マンデー (1987年10月19日) が起ったりと、 世間的に株が注目を集めていたのも、 株の売買を始めようと思ったきっかけの一つだったのでしょう。

もちろん単位株での売買で大した金額ではなかったのですが、 学生にとっては大金です。 損を出すまいと必死になって経済の勉強をしました。 「お金がなくなる恐怖」 が勉強の原動力になったのです。 経済に対する理解が深まれば会社の経営に興味が湧いてくるのは必然で、 2000年に KLab(株) (設立当時の社名は (株)ケイ・ラボラトリー) 会社設立の計画を聞いたとき、 迷わず飛び付きました。

仮に起業が頓挫しても数年くらいは生活に困らない程度の貯金がありましたし、 当時も技術者は不足していましたから、 ここがダメでも再チャレンジの余地は充分あるだろうと思っていたので、 大企業の正社員という安定した 「地位」 を捨ててベンチャーに飛込むことに、 何の躊躇いもありませんでした。 まさに、 備えがあったからこそチャンスが訪れたのです。

私の自分戦略

・ やりたいことは先送りにせず、とことんやってみる
  - 中学1年の時以来、パソコンにのめり込む
  - 大学に入ってパソコンを 「自作」
  - 大学院生の時、個人事業主としてソフトウェア開発
  - 日立に就職後、本業そっちのけでネットインフラ整備
・ 自分ブランド
  - 大学で JUNET を知って (1989年) 以来、試行錯誤
  - stone の開発・発表 (1995年~)
・ 金融リテラシー
  - 小学生の時から株に興味を持ち、大学生の時から売買
  - 「金持ち父さん 貧乏父さん」 (2000年)
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それはベンチャーと技術者との出会いでした。 それまでベンチャーを興そうという人と技術者とでは興味の対象が異なり、 両者の出会いはかなり稀な事象でした。 2000年当時は、 創業メンバに アイディアマン, 技術者, マーケッタ という多様な顔触れが揃うベンチャーは珍しかったのです。 この会社が現在に至るまで発展し続けているのは、 創業メンバの多様性にこそあったのだと思います。 この偶然の出会いを 「単に運が良かっただけ」 と思うか、 それとも 「戦略的に計画された偶発的事象」 ととらえるか、 判断は読者のみなさんにお任せします。

Filed under: 元CTO の日記,自己啓発 — hiroaki_sengoku @ 09:36
2015年10月6日

米国 BYOD プリペイド SIM の GoSmart を使ってみた 〜 $35 で 30日間 かけ放題、4G データ 2.5GB 〜

私は米国 AT&T のプリペイド SIM を (毎年 refill して) 維持している。 日本に居るときは料金プランを月額料金が無料で従量制の 「10¢ / minute」プランにして残高が減るのを防ぎ、 訪米する直前に 「$60 Monthly」プランに切り替えて、 $60 で 30日間 4GB までのデータ通信ができるようにしている (通話・SMS は無制限)。

ところが今回初めて 30日間を超えて 35日間米国に滞在したので、 最後の 5日間ほどデータ通信ができなくなってしまった (通話は 「10¢ / minute」プランでもできる)。 もちろん、 二ヶ月続けて 「$60 Monthly」 を契約すればデータ通信できるのだけど、 たった 5日間のために $60 も払うのはモッタイナイ。 そこで、 最近米国で流行っている BYOD (Bring Your Own Device) SIM を買ってみることにした。

BYOD SIM を買ってから気付いたが、 訪米の 20日ほど前に AT&T の 「$45 Monthly」プラン (1.5GB までのデータ通信が可能) を契約し米国滞在中に (一度だけ) 自動更新すれば、 未使用データ通信量は一度だけ Rollover されるので、 二ヶ月分の計 3GB が利用できて、 二ヶ月分の料金 $90 で済む。
BYOD SIM で 500MB 以上のデータ通信を行なおうとすると月単位の料金プランを契約する必要があって、 最低でも (SIM 代金と月額料金の合計で) $40 くらいはかかるので、 AT&T 「$60 Monthly」 + BYOD で合計 $100 になってしまう。 AT&T 「$45 Monthly」 + BYOD なら合計 $85 だが、 1.5GB + BYOD だとちょっと心許無く、 $5 の差なら AT&T の 「$45 Monthly」* 2ヶ月 3GB のほうが好ましい。
とはいえ、 一度 BYOD SIM を使ってみたかったということで... (^^;)

(注) 後述するように BYOD SIM は今まさに価格競争が起きている。 近いうちに (現時点ですでに?) 結論は変わってくるかもしれない。 すなわち、プリペイド SIM は refill して維持するよりも、 訪米ごとに使い捨てたほうがいい、ということになってしまうかも? (もちろん、訪米頻度に依存する)

日本では BYOD は、 「企業における私物端末の持ち込み」 という意味に限定されて使われているが、 米国だと持ち込み先は 「企業」 に限らず、 「年間契約が不要なプリペイド・プランへ自分の端末を持ち込む」 という意味にも使われているらしい。

もちろん米国では何年も前から、 プリペイド SIM を単体で購入し、 (日本から持ち込んだ) SIM ロック・フリー スマホに入れて使うことはできた。 でも、 AT&T や T-Mobile などのショップで (英語を喋って) 購入する必要があり、 英語がニガテだとハードルが高い。 しかも ID (身分証明) が必要 (私の場合、 米国発行のクレジットカードを提示したらそれ以上は求められなかったが、 適当なものが無ければパスポートが必要かも?)。

それが昨今の BYOD SIM だと、 スーパーマーケットで日用品を買うのと同じような感覚で買えてしまう。 英語を喋る必要もなく、 単に商品棚から SIM を手にとって買物カゴに放り込み、 レジでお金を払うだけ。 まさにバナナを買うのと同じ感覚でプリペイド SIM が買えてしまう。 従来のプリペイド SIM のように refill して維持してもいいが、 これだけ手軽に買えるなら訪米ごとに使い捨てでもいい。

ただし、 Walmart などの (万引き防止策に熱心な?) スーパーマーケットだと、 (万引きされやすい) 一部の商品は什器 (商品棚) に固定されていて、 店員に (英語で) 頼まないと手に取ることすらできない。 気軽に商品を手に取れてこそのスーパーマーケットだと思うのだけど、 商品を引っくり返して裏面の説明を読むためだけに、 わざわざ店員を呼ぶのはいかにも億劫。 お客の買う気を減退させてどうする?と思うのだけど、 それだけ万引き被害が甚大ということなのかなぁ? そもそも SIM などの商品はギフトカードとかと同様、 レジで有効化しないと使用できないはずなので、 万引きの対象にならないんじゃなかったのか? とか思ったり (SIM にも 「Not active until scanned at register」 と書いてある)。

BYOD SIMs at Target

幸い、私が GoSmart BYOD SIM を買った TARGET (パッケージには $39.95 と書いてあるのに、 なぜか 4セント高い値段で売っていた) では、 どの SIM も自由に手にとって見ることができたので、 裏面の説明をじっくり読んで、 比較検討してから買うことができた (もちろん、TARGET で扱ってる SIM だけでなく、 Longs Drugs など他の店で扱ってる SIM も比較検討した)。

とはいえ、 裏面の説明には肝心なことが書いてない。 買って本当に誰でも (非居住者でも) SIM の activate 手続きを WWW だけで完結できるのか? activate 手続きの途中で身分証明 (SSN の入力とか) や (米国発行の) クレジットカードの提示を求められたりしないのか? 追加費用が発生したりしないのか? activate するには使用するケータイの IMEI を登録する必要があると聞くけど、 その登録したケータイ以外のケータイでも使えるのか? など不安の種は尽きない (→ 全部杞憂だった, 後述)。 まあ SIM 自体は $5 もしないので ($39.95 のパッケージに $35 の refill カードが含まれているので、 SIM 単体だと差し引き $4.95)、 ダメでもいいやくらいの気持ちで買ってみた。

GoSmart というのは T-Mobile の低価格プリペイド用ブランド。 速度を 3G に抑えることで料金を安くしているらしい。 この SIM は、 activate してから 30日間、 2.5GB まで 3G 速度でデータ通信できる。 私のケータイは日本で買った北米以外の地域向けの Nexus5 (LG-D821) で、 どのみち T-Mobile では 4G 通信できないので 3G で充分。

パッケージ表面に 「UNLIMITED 4G LTE FACEBOOK ACCESS, AT NO EXTRA CHARGE」 と書いてある。 LTE で接続しているときも 3G 速度に抑えるが、 facebook をアクセスするときは速度を制限しない、ということ? 3G で接続したときはどうなるんだろう? (→ 速くなった, 後述)

GoSmart SIM は、 TARGET の他、 ドンキホーテや街中のケータイ・ショップなどでも売っていて、 最近販売に力を入れ始めているように見える。 なお、 $35/月プランで 2.5GB のデータ通信が可能になったのは今年の一月末からで、 以前は 500MB だったらしい。

開封して説明書を読むと、 SIM の activate に必要なのは以下の 6点:

  • SIM Card Serial #:
  • Phone Serial # / IMEI #:
  • Area Code for Your Phone Number:
  • ZIP Code:
  • Pick a Security PIN (4 digits):
  • Refill Code:

「SIM Card Serial #」 は ICCID (IC Card IDentifier) のこと。 同梱されている SIM の表面に印字してある 19桁の数字。 「ICCD は最長 19桁」 だとする解説が日本語で書かれた WWW ページに多いが AT&T の SIM は 20桁だし、 正しくは最長 22桁らしい。

「Phone Serial # / IMEI #」 はケータイで 「*#06#」 をダイヤルすれば表示される。 どのケータイの IMEI (International Mobile Equipment Identity) を入力すべきか悩ましいところ。 私の常用スマホ Nexus5 には (この時点では) AT&T SIM が入っていたので、 それをいったん抜いて GoSmart SIM と入れ替えるのはメンドクサイ。 とりあえず遊んでる予備機 Galaxy Mega 5.8 Duos に GoSmart SIM を入れて Galaxy Mega の IMEI を登録したいところなのだけど、 もしここで登録した IMEI のケータイと GoSmart SIM が紐づいてしまって、 そのケータイ以外では使えなくなってしまうのだとしたら、 AT&T SIM の 「$60 Monthly」 プランの期限が切れた後の 5日間、 Nexus5 で通信できなくて Galaxy Mega の使用を強いられるのは困る。

まあ、 注意書きも無いのに勝手に紐づくなんてことは無いだろうと思いつつも、 万一に備えて (一時的に) Nexus5 の SIM を GoSmart に入れ替えることにした (AT&T SIM は Galaxy Mega へ)。

「Area Code for Your Phone Number」 で好きな地域の電話番号の局番を入力すれば、 その地域の電話番号を割当ててもらえる、 ということなのだろう。 ハワイ州なら 「808」。 日本だと携帯電話の電話番号は 「090」や「080」等で、 固定電話の局番とは別になっているが、 米国だと固定電話と同じ局番になる。

なぜここで 「ZIP Code」(郵便番号) を登録する必要があるのか分からないのだけど、 「Please enter your ZIP code so we can determine what area codes are available」 と言ってくるので、 入力した ZIP の地域の局番しか選べないのかもしれない。 素直に泊っているホテルの ZIP を入力したので、 別の州の ZIP を入力するとどうなってたかは不明。

「PIN」 は適当な 4桁の暗証番号を登録すれば良い。 カスタマーサポートに電話するとき、 本人認証するために用いるらしい。

GoSmart Refill Card

「Refill Code」 は同梱されている Refill カードの下方のマスク部分を削ると出てくる 10桁の数字。 ちなみに、 この 「マスク部分」 を 「スクラッチ」 と呼んでる WWW ページをやたら目にするのだけど、 どこからそんな誤用が広まったのだろう? 「スクラッチを削る」 って文を見ると頭痛が痛い (>_<)。

以上 6点の準備ができたので、 www.gosmartmobile.com をアクセスして、 「ACTIVATE ACCOUNT」 をクリック。 あとは準備した 6点を入力していくだけ。 名前や住所も聞かれるが入力が必須な項目ではない。 ところが、 以下 2点が必須入力項目:

  • Email
  • Alternate phone number

必須なら、 説明書に書いておくべきだと思うのだけど... 「Email」 は、(誰でも持っているだろうから) まあ良いとして、 「Alternate phone number」 は日本のケータイ番号でも構わないのだろうか? 私は Google Voice の番号を持っているので、 それを入力したのだけど、 GoSmart が米国での最初の電話番号になる人はどうすればよいのだろう? ここで入力した番号に電話がかかってくる様子もないので、 ホテルの電話番号でも入力しておけば良い?

説明書に、 「When asked to select a plan YOU MUST CHOOSE THE $35 UNLIMITED TALK, TEXT & HIGH-SPEED WEB PLAN without any additional features.」 と書いてあるので、 「Unlimited Talk, Text & Web + up to 2.5GB of 3G Web」プランを選ぶ。 WWW ページの文字列を説明書と一致させておいたほうが良いのではないかと思ったり...

最後に 「Refill Code」 を入力して無事 activate 完了。 さっそく SIM を Nexus5 へ入れてみる。 APN は 「fast.t-mobile.com」 のままでデータ通信できるみたい。 でも、びっくりするくらい遅い。 測ってみると 1Mbps も出ていない。 こんなんで (AT&T SIM の 「$60 Monthly」 プランの期限が切れた後の) 5日間を耐えられるのかなぁ? 同じ 3G でも AT&T SIM なら (同じ Nexus5 で) 5Mbps 以上出るのに。 ただ、 看板通り facebook へのアクセスだけは速い。 「UNLIMITED 4G LTE FACEBOOK ACCESS」 というのは LTE じゃない 3G 接続時も適用されるらしい。

ところが実際に使い始めてみると、 意外なほど遅さは気にならなかった。 画像など大量のデータを送受信するのは、 実は facebook がほとんどだった、ということなのか...orz ただし、 AT&T と比べて 3G が圏外になる頻度が高いのは、 (GoSmart に限らず) T-Mobile の不便なところ。 ちょっと郊外へ出かけるとすぐ 2G になるのはもちろん、 市街地でも建物の奥に入ると電波が弱くなり、 2G に落ちることもしばしば。

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Filed under: Hawaii,SIM — hiroaki_sengoku @ 07:00
2014年10月27日

シンガポール SingTel 3G プリペイド SIM を 4G へアップグレードしてみた

SingTel 3G Prepaid SIM

2012年2月にシンガポールで買ったプリペイド SIM カード
当時シンガポールでは LTE (4G) サービスが始まっていなかったが、 その後 2013年に SingTel と M1 は、 プリペイドでも LTE が使えるようになった。 ところが、 この SingTel の古い 3G プリペイド SIM カードでは LTE を利用することができず、 4G プリペイド SIM へアップグレードする必要がある。

もちろん、 わざわざアップグレードしなくても、 コンビニ等で新規に 4G プリペイド SIM カードを買えばよいのだが、 私の場合この古い 3G プリペイド SIM カードの残高が S$140 (約 12,000円) ほどあったのと、 この SIM の番号へ日本から電話連絡してもらう予定があったのとで、 古い SIM を使い続ける必要があった。

元々 S$28 のプリペイド SIM なのに、 なぜ S$140 も残高があるかというと、 この SIM をはじめほとんどのプリペイド SIM は、 一定期間以上チャージしないと無効になってしまうから。 この SIM の場合 S$20 チャージすると、 その時点から 180日間有効なので、 半年ごとに S$20 チャージし続けると、 5回チャージする (計 S$100) ことで、 購入から 2年半以上経った現在でも (同じ電話番号のままで) 使い続けることができている。

街中 (というかショッピングモール内) を歩いていて見かけた SingTel shop で、 4G SIM へのアップグレードの方法を店員に尋ねたら、 アップグレードは、 SingTel shop ComCentre (31 Exeter Road) でのみ可能とのこと。 Google Maps で調べると、 MRT (地下鉄) の Somerset 駅 (NS23) の南側に聳え立つ ComCentre (SingTel の本社ビル) の隣らしい。 近くなので行ってみた。

店内に入ると、 順番を待つ客でごった返していた。 (順番待ちの) 発券機があったので画面にタッチすると、 「Enter your NRIC/FIN」 と表示され、 番号を入力しないと先に進めない。 たかが順番待ちに、 NRIC (National Registration Identity Card) や FIN (Foreign Identification Number) を入力させるとは、 さすが管理国家 (>_<)。 もちろん一観光客 (ビザ無し) である私はどちらも持っていない。

通りがかったスタッフに 「4G SIM へアップグレードしたいんだけど?」 と (もちろん英語で) 聞くと、 「今日は特別な日 (たまたまこの日は Deepavali というヒンドゥー教のお正月) だから激混みで 2時間待ちだけどそれでもいいのか?」 と脅される。 待つなら発券機で番号札を取れと言うので、 「私は resident じゃないので NRIC を持ってない」 と言うと、 ポストペイ SIM かプリペイド SIM か聞いてきて、 「プリペイド SIM なら、向こうの Cashier へ行け」 と言われた。

SingTel ComCentre Cashier

へ? Cashier ? 順番待ちせずにアップグレードできるということなのかなぁ? Cashier って、 ケータイケースとかの、 お金を出すだけですぐ買えるような単純なものを買うところのように見えるんだけど... (後ろにケータイケースとか並べてるし)

Cashier 前に並んでいる人たちは、 ケータイ用のアクセサリ等を買うために並んでいるか、 あるいは既に相談カウンターで手続きが済んでいて、 お金を払う最終段階で Cashier に並んでいるように見える。 Cashier でアップグレードの手続きができるとは、 ちょっと信じがたい... それに、 Cashier には 10人ぐらい並んでいて、 Cashier といえどそこそこ待つ必要があるように見える (実際 10分かかった)。 待った挙げ句、 やっぱり番号札を取って順番を待てという結末になったら嫌だなぁと思いつつ、 ダメ元で並んでみた。

で、 順番が回ってきて、 Cashier のレジ係に 「4G へアップグレードしたいんだけど...」 と伝えると、 レジ係がメモ紙を出して、 「ケータイの電話番号を書け」 と言う。 お、 本当にここでアップグレードできるのか? いま使ってる 3G SIM の 8桁の電話番号を渡された紙に書くと、 レジ係が 「Mr. Hiroaki Sengoku, パスポートはいま持ってるか?」 と聞く。

う、 プリペイド SIM の電話番号だけで名前が分かるのか! と驚いたけど、 よく考えたら SIM を買ったとき (2012年) にパスポートを提示したのだから当たり前。 でも、 レジ係が簡単に SIM 使用者の身元を照会できてしまうのはいかがなものか? もし私が (間違えたフリして) 他人の番号を書いたら、 使用者の名前を聞けてしまう? 管理国家とはこういうことなのか?

パスポートを見せると、 「S$38 をチャージする形になるが構わないか?」 と聞かれた。 つまり、 いま S$38 (約 3200円) を払う必要があるが、 それはプリペイド SIM にチャージされ、 通話やデータ通信する料金として使うことができて、 アップグレード自体は無料ということ。 「もちろん」 と答えて、 S$38 を (クレジットカードで) 支払う。 すると、 間髪をいれず手元の Nexus5 (3G SIM が入ってる) に、 チャージ完了を知らせる SMS が届く:

From: 74445
Date: 2014-10-22 13:32

You have successfully topped up $38.00. New MAIN bal: $152.32, Expiry: 20/04/2015.Visit www.singtel.com/hi (no data charges!) or dial *363 to buy data plans or transfer airtime locally/overseas via hi!Share using your MAIN account bal.

新しい 4G SIM の代金として払った S$38 なのに、 アップグレードする前の古い 3G SIM に S$38 がチャージされるのは、 ちょっと変な感じ。

SingTel ComCentre Cashier

そして遂に、 新しい 4G プリペイド SIM カードをゲット。 Cashier の順番が回ってきてからここまで 3分もたっていない。 街中で新規に S$38 のプリペイド SIM を買うのとほとんど同じ。 古い 3G SIM の残高と電話番号を引き継げる。 新しい SIM はケータイ網に登録されるまで 15分ほどかかるとのこと。

店内の椅子に腰掛けて、 Nexus5 から古い 3G SIM を取り出す。 そして、 いま買ったばかりの 4G SIM を入れると、 まだ登録が済んでいないらしく圏外表示。 15分待ってもアンテナ表示が立たないので、 Nexus5 を再起動したらアンテナと 「LTE」 の文字が表示された。 ちなみに古い 3G SIM の返却は求められなかったし、 Cashier では Nexus5 に入れたままだったので提示すらしていない。

シンガポールは、 一人 3枚までしかプリペイド SIM を持てず、 一つのパスポートで 3枚のプリペイド SIM を買ってしまうと、 たとえ紛失したとしても 3枚の SIM が有効である限り、 それ以上 SIM を買うことはできないと聞く。 しかしながら、 4G へのアップグレードの際に古い SIM を持参する必要が無かったことを考えると、 例えば SIM のサイズを nano に変更するなどの理由があれば (無くても?)、 新しい SIM を 3枚制限の枠内で発行してもらうことが可能なのではないか? 紛失して有効期限満了まで待てない時など、 試してみる価値はありそう。

なお、 新しい 4G プリペイド SIM カード表面に、 「FREE 1GB DATA」 と書いてある通り、 7日間 1GB までのデータ通信が無料になるが、 私の場合は古い 3G SIM において既に 「7-Day $25 Ultimate 14GB Plan」 を購入済みだったので、 この 「FREE 1GB DATA」 は使われることなく無駄になってしまった (1週間以内の短期滞在なので)。 「7-Day $25 Ultimate 14GB Plan」 の 7日間が過ぎるか、 あるいは 14GB を使いきれば、 「FREE 1GB DATA」 も使えるのだろう。

Filed under: SIM — hiroaki_sengoku @ 18:19
2014年10月14日

お金と自由 〜 なぜ貯められないのか?

先日、 立命館大学で 2, 3回生の学生さん達に講義する機会を頂きました。 せっかくの機会なので、 大学ではまず教わることが無いであろう 「お金」 の話をしました。 学生さん達が社会人になる前に、 是非ともお金について考えてみてもらいたいと常々思っていたからです。

お金も時間も足らないはずがない
(中略)
何でお金がなくなるんだろうって、そっちも不思議なんですよ。 日立ってそんな高い給料じゃないと思うんですけど、 入社当時、お金ってそんなに必要じゃなかったから、 あの安月給でもお金が貯まって仕方なかったんです。 お金が貯まらないって人は、 好きじゃないことにお金を使っているんじゃないの? って思いますね。
例えばですね、 すごく不思議だったから今でも覚えているんですけど、 同期入社の人が、入社早々、みんな車を新車で買ったんですよ。 もちろん好きだったら、買ってもいいと思いますよ。 レーサーを目指しているとか、 峠を攻めたいとかっていう人は買ったらいいと思うんです。
でもそんなに好きでもなくて、たまにしか車を使わないような人でも、 みんな車を買ったんで、不思議だなと思いましたね。 私に言わせるとありえないんですけど。 みなさん、好きでもないことにばっかりお金を使っているんじゃないですかね。

自由な時間は学生さんの方が持っていて、 お金は社会人の方が持っているという違いがありますが、 どちらも無駄遣いする習慣を身につけてしまうと、 一生取り返しがつかないように思うので、 ぜひとも人生これからの学生さん達に伝えたいと思っていました。

多くの人が、 学生時代は月に 10万円以下の生活費で暮らしていたにもかかわらず、 社会人になって急に毎月 20万円以上の 「大金」 を手にし、 いままでやらなかった (できなかった) 消費活動に走り、 お金があればあるだけ使ってしまうという悪い習慣に、 あっと言う間に染まってしまいます。 ひとたびこの悪習に取り憑かれると、 給料が上がっても、 上がったぶんだけ消費が増え、 いつになっても金銭面での余裕ができず、 何をするにもお金がネックになって、 お金に振り回される人生を送ってしまいます。 まさに 「お金は悪い主人である」 の典型ですね。

良い召使い or 悪い主人

・ 良い召使い
  - お金は自由を得るための手段
  - お金をどう使うか主体的に考える
  - チャレンジするための強力な道具
・ 悪い主人 (充分なお金が無いと...)
  - お金は生活の手段
  - 使い方を考えるまでもなく出費がかさむ
  - お金のために働く, お金に振り回される
  - お金を失う恐怖で、チャレンジができない
  - お金の不安がストレスに

日頃ストレスを感じると回答した人に、 その理由を尋ねると、 約 40% の人が 「収入や家計に関すること」 と回答しているそうです。 ストレスの原因としては他に、 「人間関係」 「健康状態」 「子育て」 なども挙げられていますが、 例えば、 職場の人間関係にストレスを感じていても辞められないのは、 転職したくても収入が不安定になるのが怖くて踏みきれないことが多かったりするわけで、 様々なストレスの遠因がお金 (が足らないこと) にあると言っても過言ではありません。

当座の生活に困らない程度の充分な蓄えさえあれば、 ストレスの多くは感じずに済み、 お金に振り回されるのではなく、 お金を 「良い召使い」 として使えるようになります。

そんなこと言ったって、 安月給なんだから貯められないのは仕方がない、 って声が聞こえてきそうですが...

充分なお金ってどのくらい?

・ 年収 300万円なら年 100万円以上貯金
  - 独身なら生活費は月 10万円程度で済むはず
・ 30歳までに 500万円
  - 100万円/年 * 5年
・ 40歳までに 4000万円
  - 350万円/年 * 10年
  - 年収 700万円以上あれば誰にでも貯められる
・ もちろん、やりたいことにはお金を使うべき
  - でも、昨今はお金をかけずに何でもできてしまう

独身で扶養家族を持たない人であれば、 学生時代と同程度の生活費で暮らすことが本来は可能なはずです。 しかも学費を払う必要がないのですから、 正社員であれば初年度においても 100万円以上貯めることは簡単なはずです。 その後、昇給もあるでしょうから、 30歳までに 500万円貯めるのは (正社員であれば) 誰にでもできることでしょう。

私は日立の安月給で 30歳までに 1000万円ほど貯めました。 寮費が月 2000円、 朝夕食は寮の食堂で昼食は社内食堂で食べ、 会社にいないときは寮に併設のコートでテニスをしている、 というほとんどお金を使わない生活をしていたからですが (^^)。

なお、 「お金を貯める」 「貯金」 は、 普通は銀行預金のことを意味しますが、 ここでは貯金してまとまった資産をつくり、 それを元手に投資することまで含むものとします。

その後、 給料が増えても生活レベルをあまり上げずに生活費を年間 200万円程度に抑えれば、 増えたぶんは丸々貯金できるはずです。 もし年収が 700万円以上あれば、 40歳までに 4000万円貯めることも決して難しくないはずです (私は 1億円近く貯めました ^^)。 貯金が 4000万円もあれば、 どれだけ生活にゆとりができるでしょうか。 ストレスの多くは感じずに済むのではないでしょうか。

ところが、 この程度の貯金すら、 ほとんどの人にとっては難しいようです。

なぜ貯められない?

・ お金に関する間違った常識
  - 持ち家は一生の財産 (ローンなら負債)
  - 生命保険は社会人の常識
  - お金は使ってなんぼ (うまく投資できればの話)
  - 「お金に働いてもらう」信仰 (貯めるのが先)
・ お金に余裕があると使ってしまう習慣
  - お金を使うことに慣れてしまう
  - 初任給から一ヶ月間が運命の分かれ道
・ 貯めるメリットが分かってない
  - そんなに貯めて何に使うの?

多くの人は貯金するどころか逆にローンという莫大な借金を抱えてしまいます。 家賃を払う人には安い家に引っ越して負担を減らす自由がありますが、 ローンを抱えている人には負担を軽減する自由はありません。 したがって、 「購入 VS 賃貸」 という比較はナンセンスです。 それなのに、 なぜ家賃を払うより 「お得」 と称して高額のローンを組ませるのでしょうか? もちろん、 銀行が儲けるためです。

扶養家族を持たない新卒社員に、 なぜ生命保険が必要なのでしょうか? 高額療養費制度により高額な医療費を支払ったときは払い戻しが受けられるのに、 なぜ医療保険が必要なのでしょうか? もちろん、 保険会社が儲けるためです。

銀行や保険会社以外も、 「お金は使ってこそ価値がある」 「若いときこそお金は自己投資すべき」 などと、 あの手この手でお金を使わせようとします。 でも、 まだ何の経験もない新卒社員に、 お金の有効な使い方が分かれば苦労はしません。 新卒社員にお金を使わせようと躍起になっている人たちが、 真に有効なお金の使い方を新卒社員に教えるでしょうか? もちろん彼らが教えるわけはなく、 教える義理もありません。 彼らが関心があるのは彼ら自身の儲けだけです。

お金を使わせようとする人以外にも、 「お金に働いてもらおう」 「投資に成功する方法」 など、 「儲かる」投資方法を伝授しようとする人もたくさんいます。 彼らがもし真に儲かる投資方法を知っているなら、 わざわざ他人に教えるのではなく自分で大儲けすればいいのにと思いますが、 わざわざ本を書いたり講演したりして、 わずかばかりの印税や講演料を稼いでいるわけです。 変だと思いませんか?

そういう本や講演にいちいちお金を使っていては彼らの思うツボです。 お金を払う前に、 著者あるいは講演者がどれほどの個人資産を持っているというのか、 調べてみるべきでしょう。 決して、 お金が勝手に働いてくれるわけではありません。 自分の頭で考えて汗をかいて有効な投資先を見つけ出し、 あるいは自分で創り出し、 リスクを取って投資し、 その報酬としてリターンを得るのです。

お金はいったん使ってしまうと歯止めが効きません。 使えば使うほど、 財布の紐は緩くなります。 近頃流行りのソーシャルゲームは、 いかにユーザに最初の 100円を払ってもらうかが腕の見せどころです。 いったん 100円を払ってしまったユーザは、 次の 1000円を払うのに躊躇しません。

世界中の大人達が寄ってたかってウブな若者にお金を使わせようと知恵を絞る中、 お金を使うのを我慢するのは至難の業ですが、 さらに周囲の同僚からも、 「ケチ」 だの 「そんなに貯めてどうするんだ?」 などと、 冷たい視線を浴びることになります。 ほとんどの人が、 お金を貯めるメリットを理解していないのだから仕方ありません。

お金を貯めるメリット?

・ お金を「良い召使い」として使える
  - お金 (生活) のためでなく自己実現のために働ける
  - お金の不安という最悪のストレスから解放される
・ お金 (定期収入) を失う恐怖を克服できる
  - 転職に踏み切れる, 何度でも勝負できる
・ 資本家と対等の立場に立てる
  - 自身の労働を売らない自由 (給料交渉では超重要)
階層の壁を越えるチャンス
  - (詐欺ではない本物の) うまい投資話に乗れる
  - まずは最低でも 1000万円。それ以下では相手にされない

労働者は自身の労働力を売らない自由が無い (辞めると生活できなくなる) ばっかりに、 資本家 (会社) との交渉において立場が弱くなってしまい、 (たとえ労働三法の庇護の下でも) 不利な条件を渋々飲まされるわけで、 「辞める自由」ってのは非常に重要だと思います。

また、 お金 (定期収入) を失う恐怖を克服して、 勝負する自由や、 お金を (生活のためでなく) 自己実現のために使う自由も重要でしょう。 ところが、私が 「お金を貯める最大のメリットは、 自由が得られること」 と話しても、 学生さん達にはイマイチ響かなかったように見えました。

お金を貯めるメリットが分からないというよりは、 自由の価値が分からない、 ということなのかも? と講義を終えてから思い当たりました。 (もし次の機会があれば) 今度はお金だけでなく自由の重要性についてもっと話してみようと思います。

(資本主義における) 給料が 「労働の再生産コスト」 に収斂するのは、 労働者に自由がないからであって、 もし労働者が自由を獲得すれば、 労働者が実際に産み出した 「(使用)価値」 に近いところまで給料が上がることが期待できます。 「労働の再生産コスト」 と同程度の給料でできるのは現状維持だけですが、 それより給料が高ければ 「剰余価値」 が労働者の側に蓄積し、 労働者階級から脱出する道が見えてきます。

階級格差は固定されたものではなく、 一労働者からスタートしても、 階層の壁を越えて資本家側に移ることは充分現実的であり、 お金を貯めれば貯めるほど、 その難度は下がります。 お金を貯めて 「壁越え」 に挑戦する人が増えることを願って止みません。 それこそが閉塞感を打ち破り、 活気に満ちた社会を取り戻す唯一の方法だと思うからです。

成功者を妬んで引きずり降ろそうと足の引っ張り合いをするのではなく、 成功者を正当に評価して後に続く人を増やすことこそが、 真の 「トリクルダウン」 (trickle-down) であり、 社会の成長エンジンになりうるのだと思います。

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Filed under: 自己啓発 — hiroaki_sengoku @ 00:00
2014年8月22日

ALS Ice Bucket Challenge

(株)モノタロウの安井卓さんから ALS Ice Bucket Challenge のご指名を頂きました。もろチェーンメールなのがアレですが、同じ阿呆なら踊らな損々のノリで、謹んでお受け致します。残暑厳しき折、ちょうど氷水をかぶりたい心境でした。

次は、立命館大学の上原哲太郎先生、おごちゃん、歌手のファンキーコバ様 (五十音順) のお三方を僭越ながら指名させて頂きます。(私の限られた人脈の中で) なるべく異なる分野の方々へ広げたほうが面白かろうということで畏れながら選ばせて頂きました。

もちろん、チェーンメールが招きがちである悪影響を惹起せしめることは本意ではありませんので、ここでは ALS Ice Bucket Challenge について殊更に述べることは致しませんし (私なんぞがいまさら解説しなくても、みなさまとっくにご存知でしょうし、知らない人はググレカス、おっと失礼)、私が指名した方々に対して、そしてこの拙文を読んで下さる全ての読者の皆様に対して、いかなる行動についても強要ないし推奨する意図は 1ミリも御座いません。

いわんや、指名した方々がさらに次の人を指名してこの ALS Ice Bucket Challenge を拡散することをや、です。どんなに大義が大きくても足元が危うくなっては本末転倒ですし、大義が大きければ大きいほど、正義を振りかざせば振りかざすほどに、抑制が効かなくなって暴走しがちというのもまた現実でしょう。 いいか、絶対に拡散すんなよ。約束だぞ。

ALS Ice Bucket Challenge が、これだけ世間の注目を集めてしまいますと、賛否両論かまびすしくなるのは必然なわけでして、まあ他人様のバイラル・マーケティングの大成功が妬ましくなるのは重々分かるんですが、外で見ていてあれこれ言うより、踊る阿呆として楽しんじゃったほうが精神衛生上も世界平和のためにもいいんじゃないでしょうか? 同調圧力を吹き飛ばすには、笑い飛ばすことこそが重要と思う次第です。

で、実際にやってみると、コレすごく大変です (>_<)。 こんな短い動画でも見るのと作るのとでは大違い、という当たり前すぎることを痛感しました。 特に、氷水をかぶるのは不可逆過程ですから練習するわけにもいかず、一発勝負に...

なにごともやってみることは重要ですね。

Filed under: その他 — hiroaki_sengoku @ 14:46
2014年1月28日

台灣大哥大のプリペイド SIM のデータパッケージ型 (計量型 NT$180 1GB 30日) プランを日本から Web で購入してみた

台湾のプリペイド SIM カードは、 購入する際パスポートの他に、 もう一点、身分証明書 (日本の運転免許証で OK) が必要。 他の国に比べて SIM 管理が厳しい (誰がどの SIM を購入したか当局が把握していると思われる) ので、 台湾を訪れるたびに SIM を新規に購入して使い捨てていると、 一人で何枚も購入した記録が残ってしまい問題があるかも?

台湾のプリペイド SIM カードは半年間チャージ (儲值, 充值, recharge, topup 等、 いろいろ呼び方はあるが要は SIM の残高を増やすこと) をしないと失効してしまうので、 半年以内に再び台湾を訪れるのでなければ、 日本でチャージを行なう必要がある。

幸い台灣大哥大 (Taiwan Mobile) の場合、 台湾滞在中にアカウントを作っておけば (アカウントが無くても可能かも? 後述)、 そのアカウントでログイン (登入) し、 Web 上でクレジットカード払いでチャージできるので、 私は失効前に (日本から) Web でチャージするようにして SIM を維持し続けている。 SIM を維持していると、 台湾を訪れたとき、 (空港等で) SIM を新規に購入する必要がないので便利。

台灣大哥大 SIM のデータ通信は、 1KB あたり NT$0.045 (約 0.16円) もかかる (100MB 通信すれば 16,000円!) ので、 計日型/計時型 (日単位/時間単位で使い放題) か、 計量型 (30日間有効なデータパッケージ) のいずれかの行動上網 (モバイル インターネット) プランを購入することになる。

計時型計日型上網費率 (時間単位・日単位で使い放題, データ定額)

プラン費用有効期限
1時間型NT$35申込み完了から 1時間
1日型NT$100申込み完了から 24時間
3日型NT$250申込み完了から 72時間
5日型NT$350申込み完了から 120時間
7日型NT$450申込み完了から 168時間
10日型NT$600申込み完了から 240時間
30日型NT$800申込み完了から 720時間

計量型上網費率 (データパッケージ)

プラン費用データ量有効期限
250MBNT$50250MB30日
1GBNT$1801GB30日
2GBNT$3002GB30日
3GBNT$4502GB30日

申込みは (台湾で) ケータイから 535 をダイヤルすることにより可能だが、 Web でもクレジットカード払いで購入できる。 台湾を訪れる前に日本でデータプランを購入しておけば、 飛行機を降りた直後からネットが使える。 計日型だと、 申込み完了直後から 「使い放題」 期間が始まってしまうので、 申込み完了から台湾に到着するまでの期間 (少なくとも約半日間) が無駄になってしまうが、 計量型なら有効期限が 30日間あるので、 台湾に行く前日にでも Web で申し込んでおけばよい。

今回の訪台は 3泊4日 (台湾滞在が 78時間くらい) だったので、 台湾到着直後に 3日型プランを申し込むと、 4日目の途中 (72時間後) から飛行機に乗るまでの数時間、 ネットが使えない時間帯ができてしまう (かといって 5日型だと丸一日以上無駄になる) ので、 計量型 1GB を購入してみることにした。 データ転送量が 1GB に収まるのであれば、 1GB NT$180 なので、 3日型 (NT$250) より安い。

計量型上網費率のページ (首頁資費&手機預付卡產品行動上網介紹計量型) において、 「線上購買」 (オンライン購入) のボタンをクリックする。 残念なことに英語版ページはないので、 中国語のページで購入する必要がある。

「立即儲值/查詢餘額」 (すぐにチャージ/残高照会) のボタン ↓ が下の方に表示されるのでクリック。 ログインしていない場合は、 「請選擇餘額查詢/網路儲值登入方式」 (残高照会/チャージするためのログイン方式を選んでください) と表示され、 「我要登入台灣大會員」 (台灣大哥大の会員としてログインする) か、 「我要快速登入」 (電話番号とパスポート番号でログインする) かを選択する画面が表示される。

24HR 預付卡網路儲值 查餘額・使用期限・網路儲值記録 立即儲值/查詢餘額

前者の場合は、 会員ID (登録したE-mailアドレス) とパスワードを入力してログインする。 後者の場合は、 (台灣大哥大の) 携帯電話番号 (手機號碼) と、 (SIM購入時に登録した) パスポート番号 (身分證號) と、 CAPTCHA (キャプチャ, 驗證碼) を入力する。 後者の場合、 アカウントが無くてもチャージできるのかも? あいにく私はすでにアカウントを作ってしまっているので、 アカウントが無い場合の実験ができない。 どなたか、アカウントを作る前にチャージできるか確認して頂けると幸い。

ログインすると表示される 「選擇商品與付款」 ページにおいて、 「儲值產品」 として 「行動上網」 の 「計量型」 の 「180元 1GB/30天」 を選択。 「付款方式」 として 「信用卡刷卡付款」 (クレジットカード払い) を選択し、 クレジットカード番号 (日本のクレジットカードで OK) と有効期限、 カード裏面の 3桁のセキュリティコード (CVV2/CVC2) を入力。 「Email通知」 に注文受領のメールを受け取りたいメールアドレスを入力。 以上を入力したら 「下一歩」 (次へ) をクリック。

すると、 「請再次確認以下資料是否正確」 (以下の内容が正しいか再度確認してください) と表示されるので、 問題なければ 「確認送出」 をクリック。

以下のような 「儲值成功」 が表示されれば成功。 注文受領のメールが届く。

您已完成線上儲值流程!
訂單編號 	U14017XXXX
門號   	0970-XXX-XXX
儲值產品 	180元(180元 1GB/30天)
付款方式 	信用卡刷卡付款
信用卡卡號	4541-58**-****-XXXX
授權時間 	103年 01月 22日 下午22點 07分
Email通知	sengoku@gmail.com
收據資訊 	二聯式電信收據
收據抬頭/收件人	SENGOKU HIROAKI
電信收據地址	台北市松山區敦化北路100號
儲值結果 	儲值成功

同時に以下のような SMS も届くが、 台灣大哥大のプリペイド SIM カードはローミングに対応していないので、 日本にいる間は受け取ることはできない。 台湾に到着後ケータイの電源を入れたら、 以下のような SMS が届いていた。

From: 0935120867
Date: 2014/1/22 22:07 CST

電子儲值通知_門號0970XXXXXX儲值成功。查詢餘額及效期請手機直撥867;儲值上網產品者請於三十分鐘內收到開通簡訊再重開機即可手機上網

(拙訳) 電話番号 0970XXXXXX に対するチャージが成功しました。 残高および有効期限を参照するには、 ケータイで 867 をダイヤルしてください。 30分以内に開通を知らせる SMS が届きますので、 ケータイを再起動すれば、 すぐインターネットが利用できます。

クレジットカード払いでデータパッケージを購入する場合、 チャージと同じ扱いらしく、 SIM の有効期限が 半年後まで延長されていた。

続いて (14分後)、 以下のような SMS が届いていて、 データパッケージが利用可能になったことを知らせていた。

From: 0935120188
Date: 2014/1/22 22:21 CST

歡迎使用手機上網計量包服務, 手機重新開機即可使用, 服務結束是 2/21 23:59, 查詢餘量請撥*867*300#

(拙訳) ケータイ インターネット データ パッケージ の ご利用ありがとうございます。 ケータイを再起動すれば、 すぐご利用できます。 サービスの有効期限は 2/21 23:59 までです。 残りデータ量を参照するには、 *867*300# をダイヤルしてください。
Balance for the Mobile Internet is about 1017.98MB, and will expire on Feb 21 2014 23:59.

臺灣桃園國際機場 第二航廈 (台湾桃園国際空港 第2ターミナル) に到着 (1/23 11:48 CST) して、 facebook に書込んだり等、 ネットを一通り利用した後、 上記 SMS に書いてあるように 「*867*300#」 をダイヤルすると、 残りデータ量が 1017.98MB と表示された →

台湾ではまだ LTE サービスが始まっていないので 3G (HSPA+) での接続となるが、 ほとんどの場所で下り 10Mbps くらいは余裕で出ていて、 とても快適だった。 が、それ以上にホテルの無料 LAN (有線・無線) が快適で、 ホテルにいるときは Wi-Fi を使っていたので、 台灣大哥大 SIM では 300MB 程度しか使用しなかった (台湾滞在 3日と 6時間)。

テザリングして PC からネット接続するのでなければ、 1GB は一週間未満の短期滞在には充分なデータ量だと思う。 3日型 (NT$250) や 5日型 (NT$350) を購入するより、 1GB (NT$180) を購入するほうが安い。 同様に 10日型 (NT$600) より 2GB (NT$300) のほうが安いわけで、 計日型を利用する理由はほとんど無いのではなかろうか? 計量型だと事前に (出発前日に日本で) 余裕を持って購入しておけるので、 台湾到着時の (入国手続き等で) 忙しいさなかに購入しなくて済む、 というメリットも大きい。

Filed under: SIM — hiroaki_sengoku @ 09:23
2013年12月13日

nexus5 の充電をワイヤレス (Qi 給電) にしたので、バックアップもワイヤレスにしてみた 〜 ssh サーバを nexus5 上で動かす 〜

昨今の円安のため香港ドルが高い (>_<)。 昨年は 10円/HK$ 台だったのに、いまや 13円/HK$ を超えている。 香港 (に限らないが) の人たちが大挙して日本に買物に来る気持ちが分かる。 これだけ円安が進めば、 日本じゅうどこへ行っても、 全てのものが安く感じられるのだろう。

ARENA Scientific Icey QI Charging Pad

逆に、 日本人が香港へ行くと、全てのものが以前より 3割ほど高く見えるわけで、 物欲が萎えてしまいほとんど買物しなかった (おまけに、香港に行く直前に日本で nexus 5 を買ってしまったし)。 とはいえ、 香港までわざわざ行っておきながら何も買わないというのもアレなので、 Qi 充電器を買ってみた。 深水埗 黄金電腦商場 地下35號舖 Sunny Computer Digital Co 力生電腦數碼公司 →

HK$199 = 約2700円なので、 ちっとも安くない。 「おにぎり」 こと、 ワイヤレスチャージャー 03 なら 2200円くらいで売っているが、 「おにぎり」 の電源が専用アダプタであるのに対し、 これは汎用の micro USB ケーブルが使えるのでよしとしよう。

この Qi 充電器を USB ハブの余っているポートにつないで机の上に置き、 その上に nexus 5 を置く。 使ってみると想像以上に便利。 電話がかかってきたとき、 以前はいちいち USB ケーブルを抜いていたのだけど、 Qi 充電器ならサッと nexus 5 を手に取れるし、 電話が終わったら Qi 充電器の上に戻すだけ。 はやく全てのケータイが Qi に対応して、 喫茶店などのテーブルに Qi 充電器を標準装備して欲しいなどと思う今日このごろ。

充電がワイヤレスなのに、 PC との通信に USB ケーブルを使っていては片手落ちである。 私は普段 rsync を使って nexus 5 上のデータを丸ごと PC へバックアップしているが、 有線な adb (Android Debug Bridge) を使うのは止めて Wi-Fi を使うことにした。

ここで注意したいのは、 主導権を握る (コントロールする) のは PC 側でなければならない、 ということ。 スマホ側 (nexus 5) が主導して rsync を起動するアプリならすでにいくつか出回っているが、 PC が目の前にあるときに何が嬉しくてスマホの小さい画面をいじらなきゃならないのかと思う。 Qi 充電器の上に置いたら、 もう 1 タッチといえどスマホには触りたくない。 全ての作業は PC のキーボードで完結させたい。

つまり、 PC がクライアントとなり、 スマホをサーバとして扱いたい、 ということ。 サーバのキーボードやモニタはトラブル発生時でもなければ使わないのと同様、 家にいるときはスマホは充電器の上に置きっぱなしにしておきたい。 あるいは寝室専用になってしまっているスマホ (各部屋に一台以上、専用スマホ/タブレットが置きっぱなしにしてある) は、 寝室に置きっぱなしのままで (別の部屋の) PC から操作したい。 スマホを PC から操作できれば、 コマンド一発で、 家じゅうのスマホ (10台くらいある) をいっぺんにバックアップしたり、 相互にデータを同期させたり、 何でも思いのまま (^^)。

スマホをサーバとして扱うには、 スマホ上で ssh サーバを動かしておけばよい、 ということで早速 dropbear サーバ (軽量 ssh サーバ) と rsync を nexus 5 (だけでなく私が持っている全ての android スマホ) にインストールした。

以下、インストールのメモ:

もっと読む...
Filed under: Android,システム構築・運用 — hiroaki_sengoku @ 09:07
2013年12月3日

Nexus5 を買って、香港で LTE を使ってみた (中國移動香港 4G/3G 數據及話音 プリペイド SIM カード)

LTE (Long Term Evolution) は、 サービス展開がこれからの国・地域も多く、 多バンドをサポートする端末というと iPhone 5c/5s (A1453 の場合 1, 2, 3, 4, 5, 8, 13, 17, 18, 19, 20, 25, 26 の 13バンド!に対応) くらいしか無いので、 私は今まで様子見してた。 例えば、 香港で売られている国際版スマホは、 バンド 3 (1800MHz), 7 (2600MHz), 8 (900MHz), 20 (800MHz) どまりなものが多く、 これではバンド 1 (2100MHz) が主に使われている日本では使いにくい。

ところが先月、 イーモバイルが Nexus 5 (LG-D821) を売り出した。 Nexus 5 の米国向けモデルである LG-D820 (1, 2, 4, 5, 17, 18, 19, 25, 26, 41 の 10バンドに対応) には見劣りするものの、 LG-D821 も 1, 3, 5, 7, 8, 20 の 6バンドをサポートしていて、 日本 (1, 3, 8) および香港 (3, 7) で使う分には問題無い (2, 4, 17 が無いので北米は厳しいけれど)。 もちろん SIM ロックフリー。 新規一括 39,000円で買うと、 月額料金を 2,660円割引してくれるらしい。 しかも Pocket WiFi LTE ルータ GL06P (3GB まで月額 580円) を契約すると、 Nexus 5 を 20,000円割引してくれるので、 香港で LTE スマホを買うよりずっと安くなってしまう (昨今の円安で、香港のスマホは、以前のような割安感が無くなっている)。

Nexus 5 が新規一括 19,000円で、 しかも月々 2,515円 (2年で解約しない場合、3年目以降は 6,230円/月) で 5GB まで使えるということなので衝動買い。 唯一の誤算は、 ソフトバンクからの MNP を考えていたのに、 イーモバイルはソフトバンク傘下ということで MNP しても安くならないどころか、 かえって高くなってしまう点。 仕方ないのでソフトバンクの契約を維持したままイーモバイルを新規契約し、 (電話番号を変えたくないので) それまで使っていたソフトバンクの電話番号への着呼を、 イーモバイルの電話番号へ常時転送するようにした。 Nexus 5 用の料金プランであるイーモバイル 4G-S プランは、 ソフトバンク ホワイトプランとの 1:00〜21:00 の間の通話が無料なので、 転送電話 (留守番電話呼出しなし) を設定していても、 (21:00 過ぎに電話をかけてくる人がいない限り) ほとんど料金がかからない。

SIM Card Shop at Ap Liu st.

スマホを買おうと香港へ行く計画を (イーモバイルが Nexus 5 発売を発表する前に) 立てていたのに、 行く直前に Nexus 5 を買ってしまい、 香港で買うものがなくなってしまった (^^;)。 が、 旅行をキャンセルするわけにもいかないので、 香港へ行って Nexus 5 (と Galaxy Note 2 LTE) で LTE を使ってみた

中國移動香港 4G/3G 數據及話音儲值卡 (CMHK 4G/3G Data & Voice Prepaid SIM Card) は、 HK$80 ぶんの度数が付いたプリペイド SIM カード。 額面は HK$80 だけど深水埗 (鴨寮街) などでは HK$50 (約 660円) で売っている (写真 →)。

SIM をアクティベートすると、 最初に行政費 (Administration Fee, 税金) HK$2 が差し引かれ (以降 30日ごとに HK$2 ずつ引かれる)、 5日間有効な 1.5GB データパッケージ HK$48 を購入すると、 残り HK$30 (= 80 - 2 - 48)。 これを通話 (HK$0.1/分) で使うと約 300分使える。 5日間までの短期滞在ならデータ通信も通話も、 これ一枚で充分だと思う。 もちろん、テザリングも (1.5GB までの範囲で) 可能。

データパッケージを申し込まないと、 1MB あたり HK$0.5 かかる。 一日 (香港時間 0:00〜23:59) の上限が HK$28 (約 370円) で、 それ以上は課金されないが、 一日の通信量が 1GB を超えると 128kbps に制限される。 一日だけしか使わないなら、 データパッケージを申し込まない方が安いが、 二日以上なら申し込むべき。 申し込む前に Nexus 5 が勝手に通信を始めたりしないよう、 あらかじめ 「モバイルネットワーク設定」 で、 データ通信を無効にしておくとよい。

China Mobile Hong Kong 4G/3G Data & Voice Prepaid SIM Card もっと読む...
Filed under: SIM,香港 — hiroaki_sengoku @ 13:11
2013年11月23日

nexus5 に ストラップを付けてみた ~テグスを使って~

ほとんどの人にとって無用なケータイ ストラップ。 iPhone を最右翼として、 最近の (海外製) スマホのほとんど (全て?) にはストラップを付ける穴 (ストラップ ホール) がない。 しかしながら (私を含めて) ストラップが必要と思う人にとっては、 ストラップが付けられないケータイは使う気がしない。 私が使うストラップは、 腰に付けたまま電話できる長いタイプ。 日本ではあまり見かけないので香港でまとめ買いした。 一本約 80円。 常に腰と結び付けたままなので、 ケータイをどこかへ置き忘れるということがないし、 頭の高さからケータイを落下させても、 ストラップが最大限に伸びたとき地面に激突しないような長さのものを使っている。

同じように考える人が少なくないようで、 ストラップ ホールが無いケータイに、 なんとかストラップを付けようと模索する WWW ページが沢山見つかる。 nexus 5 においても、 早速ストラップを付けた人がいるようだ。

しかし、 nexus 5 の裏蓋と nexus 5 本体との間には隙間がほとんどなく、 このページで解説されているようにストラップの紐 (直径 0.7mm くらいある) を間に挟むのは少々無理がある。 裏蓋には NFC や Qi (チー) などのアンテナがあり、 本体と裏蓋が密着していないとアンテナとの接触が不良になる恐れがある。

そこで、 nexus 5 の機能には極力影響を与えず、 もちろん nexus 5 を傷付けずに、 ストラップを付ける方法を考えてみた。

nexus5 with strap

幸い、 nexus 5 の下部には、 スピーカーとマイク用の穴 (直径約 0.8mm) が、 左右にそれぞれ 16個づつある。 しかもスピーカー穴の内部には、 スピーカーとの間に直径 0.5mm 程度の糸なら無理無く通せる空間がある。 内部がギッシリ詰まっている nexus 5 において、 この空間は例外的な存在。 そこで、 太さ約 0.52mm の 10号テグス (ナイロン ライン) をスピーカー穴に通してみた。↓

put a thread through the hole of nexus5

写真 ↑ の LG-D820 と書いてある部分に、 スピーカーが入る。 写真では見にくいが、 スピーカー穴の裏側の周囲にはクッションがあり、 テグスはスピーカーとは接触しない。 もちろん、 16個あるスピーカ穴のうち 2個をテグスで塞いでしまっているので、 そのぶん音量は小さくなると思われるが、 その差は (少なくとも私には) 体感できない。

ナイロン糸が釣り糸に使用される以前は、テグスサンというヤママユガに近い蛾の幼虫の絹糸腺から作ったテグスや、スガ糸(絹)などが使用された。
釣り糸の販売は、江戸中期に徳島の漁師が薬剤を縛る半透明の紐を見て「これを使えば魚はいくらでも釣れる。」と言ったのをきっかけに大阪の船場にある薬問屋だった「広田屋」がテグス商としてスタートさせたのが始まりである。
釣糸 歴史 から引用

穴周囲の筐体の強度が不明なので、 テグスに強い荷重をかけると筐体が変形あるいは損傷する可能性も否定できない。 私の場合、 ストラップに力が加わるのはケータイを落下させた場合などに限られるので問題無いと判断したが、 ストラップの使い方によっては問題になるケースもあるかもしれない。

ちなみに、 内部には LG-D820 (北米向けモデル) と書いてあるが、 この nexus 5 は LG-D821 (その他地域向けモデル)。 EMOBILE が 39,800円で売っていた nexus 5 を、 20,000円引 (GL06P とセット割) で購入した

私は常々、 スマホの画面の最適サイズは 6インチだと思ってる (Galaxy Mega 5.8 Duos GT-I9152 を愛用している) のだけど、 google が nexus 6 を出さないのは、 デッカードに退治されてしまうからだろうか?

スピーカー/マイク モジュールを元に戻し、↓

put a speaker/microphone module

裏蓋を嵌め込んで完成。 テグスを輪にするため、 釣り糸の結び方1 を参照した。

何度も裏蓋を開け閉めしていたら、 1分もかからず簡単に開けられるようになったが、 最初は力の加減が分からず大変。 スピーカー/マイク モジュール ↑ の両端に両面テープが貼ってあり、 裏蓋がくっついているので、慎重に剥がす。 nexus 5 に傷をつけないように、 写真 ↓ にあるようなヘラ (赤色 2本) を用いる。

tools for tearing apart nexus5

青色のドライバー (+) は、 スピーカー/マイク モジュールを留めているネジ 4本を外すために使用。

Filed under: Android — hiroaki_sengoku @ 08:51
2013年11月8日

Z80 コンピュータを作ってみた (27年前のお話)

往年の 8ビット・マイクロプロセッサー Z80。 最近の若い IT エンジニアだと知らない人も多い? 現在でも組み込み用途で使われているのに、 プログラマの高齢化が進んでいるらしい。 私がコンピュータを学んだ思い出深い CPU なので、 このまま忘れ去ってしまうのもモッタイナイ。 思い出せる限り記録に残しておこうと思う。 コンピュータを原理から学ぼうとする人の参考になれば幸い。

以下は、私が大学一回生のとき (1986年, 昭和61年) 独学で作った CP/M (Control Program for Microcomputer, パソコン用シングルタスク OS) マシンの記録。

私は高校生のとき (1983年)、 シャープ製パソコン MZ-80K2E改造しながら独力でデジタル回路を学んだ。 当時のコンピュータ雑誌 (工学社 「I/O」 誌) に掲載された MZ-80K の回路図が大いに参考になった。 1983年版 TTL IC 規格表を片手に MZ-80K の回路図を読み解いて、 コンピュータの仕組みを学んだ。

受験勉強そっちのけでデジタル回路の勉強にのめり込んでしまったので一浪する (1985年) はめになったが、 無事大学に合格した後はたっぷり時間があったので、 Z80 コンピュータを作ってみた。 MZ-80 に倣って当時これを HZ-80 と呼んでいたので、 以下 HZ-80 と呼ぶ。

HZ-80 の写真 ↓ (上面 / 下面)

HZ80

HZ-80 にはディスプレイもキーボードも無いので、 改造した MZ-80K2E とパラレル通信ケーブルで結び、 MZ-80K2E を端末として使用した。 写真 ↑ 中央に見える黒色の 40ピン ソケットに、 パラレル通信ケーブルをつなぐ。 MZ-80K シリーズは画面が横 40文字しか表示できないので、 (MZ 本体とは別に) 80文字表示できるビデオ信号生成回路を作り、 MZ-80K2E の CRT へ出力して、 80桁x25行キャラクタ表示端末として使っていた。

写真左手に見える 36ピン アンフェノール ソケット (セントロニクス仕様のプリンタ用と同じ形状) に、 (PC-8001/8801シリーズ用の) 5インチ フロッピー ディスク ドライブ (以下 FDD と略記) をつなぐ。

写真右手に見える赤と黒の端子に +5V のスイッチング電源をつなぐ。

もっと読む...
Filed under: ハードウェアの認識と制御 — hiroaki_sengoku @ 07:57
2013年3月30日

UCOM光電話の VoIP アダプタ (Aterm BH812V) を LAN 内に設置してみた

UCOM光が導入されているマンションに住んでいるので UCOM光電話を使っている。 UCOM から貸与された VoIP (Voice Over IP, IP 電話) アダプタは、 グローバル IP アドレスが必要と説明書にあった。 UCOM光で各戸に割当てられるグローバル IP アドレスは 5個しかないのに、 うち 1個を VoIP アダプタごときに専有されるなんてトンデモナイ。 なんとか VoIP アダプタを、 次図のように LAN 内に設置することはできないか?

                    宅内 ←:→ UCOM
                        :       :
      LAN    ┌─────┐  DMZ   :       :
           │NAT 機能付│      :       :
───┬────┬──┤ルータ  ├──┬───────┬────→ インター
   │    │  └─────┘  │   :   │   :  ネット
┌──┴─┐┌─┴─┐   :   ┌─┴─┐ : ┌─┴─┐ :
│ VoIP ││ PC等 │   :   │公開 │ : │SIP  │ :
│アダプタ│└───┘   :   │サーバ│ : │Proxy │ :
└────┘        :   └───┘ : └───┘ :
              :
プライベート IP アドレス  :    グローバル IP アドレス

SIP (Session Initiation Protocol, VoIP で使われるプロトコル) は NAT と相性が悪いとはよく言われるが、 それは UA (User Agent) 同士が直接通話する場合の話。 SIP Proxy 経由で通話する場合であれば、 端末 (VoIP アダプタ等) は特定の SIP Proxy に接続すれば事足りるので、 端末が NAT の内側 (つまり LAN 内) でも何の問題もない。 だから VoIP アダプタにグローバル IP アドレスが必要と言われても納得しかねる。

私の場合、 VoIP アダプタとして Aterm BH812V (UZ) を貸与された。 このアダプタに、 フツーの (アナログ) 電話機をつなぐとフツーの (050 な電話番号ではなくフツーの市外局番な番号の) 固定電話として使える。 BH812V は VoIP アダプタなのに VoIP 関連の設定項目が全く無く、 ましてプライベート IP アドレスで使うための設定方法など望むべくもない。 仕方がないのでとりあえずそのまま BH812V を LAN につないでみた。 上図中 「NAT 機能付ルータ」 は実際は Linux マシンで、 このマシン上で DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サーバを走らせている。 つまり、 この DHCP サーバから BH812V に対してプライベート IP アドレスが割当てられる。

BH812V 前面

BH812V の筐体には、 「ステータス」 「電話サービス」 「電話1」 「電話2」 「インターネット」 と書かれた 5 つのランプがあり、 正常な定常状態では全て緑色に点灯する。 ところが、 BH812V を LAN につないで電源を入れると、 「ステータス」 が橙点滅、 「インターネット」 が橙点灯したままになり、 「電話サービス」 他のランプは消灯したままになってしまった。 もちろん、 BH812V につないだ電話機は使用不能。 BH812V のログはこんな感じ:

2013/03/29 00:39:15 NAT GET 192.168.10.130 (IP-PORT=1)
2013/03/29 00:39:15 WAN  Port is UP for Local Router mode
2013/03/29 00:39:15 WAN  Connect request from 192.168.19.1 for Local Router mode
2013/03/29 00:39:15 DHCP_Client IP ADDRESS Get 192.168.10.130 (IP-PORT=1)

プライベート IP アドレス 192.168.10.130 が配布されたことは分かるが、 SIP 関連のエラーは全く出力されていないので、 このログではなぜ電話機が使えないか何も分からない (>_<)

ちなみに、 BH812V にグローバル IP アドレス 122.218.XX.XX を割当てて正常に動作したときのログはこんな感じ:

2013/03/29 00:51:09 NAT GET 122.218.XX.XX (IP-PORT=1)
2013/03/29 00:51:09 WAN  Port is UP for Local Router mode
2013/03/29 00:51:09 WAN  Connect request from 192.168.19.1 for Local Router mode
2013/03/29 00:51:09 DHCP_Client IP ADDRESS Get 122.218.XX.XXX (IP-PORT=1)

電話が使えない異常状態と、正常状態とで、 ログが (割当てられた IP アドレス以外は) 全く同じというのはいかがなものか。

そこで、 BH812V にグローバル IP アドレスを割当てたときと、 プライベート IP アドレスを割当てたときとで、 どのような挙動の違いがあるか調べてみる。 まず UCOM DHCP サーバから グローバル IP アドレスを割当てるとき、 BH812V と UCOM との間でどのような通信が行なわれるか? BH812V と UCOM との間にブリッジ (という名の Linux マシン) を挟んで、 どのようなパケットがやりとりされているか tcpdump (ネットワークを流れるパケットを表示するツール) で調べてみる。

   ┌────┐  ┌─────┐  宅内 ←:→ UCOM
   │ VoIP ├──┤ブリッジ ├──┐   :
   │アダプタ│  └─────┘  │   :       :
   └────┘  ┌─────┐  │   :       :
           │NAT 機能付│  │   :       :
────────┬──┤ルータ  ├──┼───────┬────→ インター
        │  └─────┘  │   :   │   :  ネット
      ┌─┴─┐       ┌─┴─┐ : ┌─┴─┐ :
      │ PC等 │       │公開 │ : │SIP  │ :
      └───┘       │サーバ│ : │Proxy │ :
                  └───┘ : └───┘ :

上図のように 「VoIP アダプタ」 (BH812V) を LAN から (ブリッジを介した) DMZ へつなぎ替えたわけだが、 このようなネットワーク構成の変更が、 物理的な配線変更を行なわずにできるのが、 スマートスイッチならでは (^^)v。

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Filed under: システム構築・運用 — hiroaki_sengoku @ 22:53
2013年3月19日

GS108E / GS116E の ProSafe Plus 設定ユーティリティが 「HTTP request error」 で使えないときの対処法

安価なスマートスイッチ GS108E / GS116E の設定ユーティリティ 「ProSafe Plus」 を起動したとき、 以下のようなエラーダイアログが表示されて使用不可能に陥ることがある:

Web サービス サーバと通信中にエラーが生じました。エラーメッセージ:HTTP request error

「サーバと通信中にエラーが生じました」 と言われても、 そもそもこの 「ProSafe Plus 設定ユーティリティ」 はサーバと通信するツールではないので途方に暮れてしまう。 「サーバ」 というのはこのツールの設定対象であるスイッチ GS108E/GS116E のことなのか? この設定ユーティリティは起動時にスイッチを探す (UDP broadcast) が、 もちろんプロトコルは HTTP ではない。

「HTTP request error」 というエラーメッセージが唯一の手がかりなので、 とりあえず google で検索してみる。 私と同様に途方に暮れている人が何人もいるようだ。

幸い、 そのうちの一人が解決方法を発見していた:

FIXED: Prosafe Plus Configuration Utility - HTTP request error

I Fixed it!!! : The problem seemed to be caused by the 'Internet Connection Sharing Service (ICS)'.
Some how I have been configuring this service on my laptop. When I stop this service, the utility works again. Because I do not need this service most of the time I changed the startup mode of this service to manual.

ICS ? そんなものを設定した覚えはないのだけど... と思いつつ、 「ネットワークと共有センター」 から 「アダプターの設定の変更」 を選び、 ネットワーク アダプターの 「プロパティ」 を開いて 「共有」タブを選択する (Windows7 あるいは Windows8 の場合)。 すると...

インターネット接続の共有 ネットワークのほかのユーザに、このコンピューターのインターネット接続をとおしての接続を許可する

がーん、 「インターネット接続の共有」(ICS) が許可されている orz.
誰が許可したんだ?

そういえば先月 Wi-Fi USBアダプタ GW-USFang300 を購入 (e-trend で 1280円で売っていたので衝動買い ^^;) した際、 この PC を Wi-Fi アクセスポイントとして使用したのだった。 アクセスポイントなので、 当然 ICS を許可することになる。 一時的に使用しただけなので、 今はこの Wi-Fi USBアダプタを外しているのだが、 ICS が許可されたままになっていたのだろう。

この 「ネットワークのほかのユーザに、このコンピューターのインターネット接続をとおしての接続を許可する」 のチェックを外して 「OK」 を押したところ、 無事 「ProSafe Plus 設定ユーティリティ」 が使えるようになった。 よかった〜

なお、 上記 google 検索で見つけた解決方法は、 「I changed the startup mode of this service to manual」 すなわち 「『Internet Connection Sharing (ICS)』 サービスの 『スタートアップの種類』 を 『手動』 にした」 とあるが、 ネットワーク アダプターの 「プロパティ」 で ICS 許可のチェックを外しても同じ効果が得られるし、 「プロパティ」 で設定変更するほうが素直な対処方法だと思う。

Filed under: システム構築・運用 — hiroaki_sengoku @ 10:41
2013年2月6日

台湾で中華電信と台灣大哥大のプリペイド SIM カードを買ってみた

初めての台湾。 4日間の短期滞在なので、 街中でプリペイド SIM カードを売ってるところを探していては時間がもったいない。 できれば空港で SIM を入手し、 不自由無くインターネットにアクセスしたい。 とはいえ、 パックツアー (最初に九份を訪れた後は全日程自由行動) なので、 他のツアー客を待たせるわけにはいかない。 できるだけ早く入国審査を済ませて SIM を購入し、 ツアー集合場所に駆けつけよう。

臺灣桃園國際機場 (Taiwan Taoyuan Int'l Airport, 台湾桃園国際空港) 第2ターミナルに到着後、 飛行機を真っ先に飛び出し、 小走りで入国審査場を目指した。

がらがらの入国審査場。 やった、 一番乗り。 広々とした入国審査場の片隅に、 一台だけ置かれている ATM が目に入った。 初めての訪台なので、 台湾の現金をまったく持っていない。 多くの国で SIM はクレジットカードで買うことができない。 おそらく台湾も同じだろう。 ここで現金を入手できれば、 SIM の購入がスムーズになる。

ATM に駆け寄り、 素早くキャッシュカードを挿入、 暗証番号を入力し、 口座の種別を選んで金額を入力した。 すると、 CirrusPLUS か選択する画面が現れた。

へ? Cirrus か PLUS ? そんなの ATM が勝手に判断することなんじゃ? わざわざユーザに選ばせるってことは、 Cirrus と PLUS の両方に対応しているカードがあるってこと? それなんて呉越同舟?

ええい、 二つに一つ!と Cirrus を選んだら、 レシートとカードが吐き出され、お金は出てこなかった。 敗北感に浸りながら出てきたカードを裏返すと、 そこには PLUS のマークがあった。

もう一度... と思ったが、 いつのまにか入国審査場には待ち行列が伸び始めていた。 いま現金を入手したところで、 入国審査に時間がかかっては元も子もない。 慌てて行列の最後尾につく。

と、 いうわけで到着ロビーで ATM を探した。 (両替のための) 銀行カウンターは目立つところにあるが、 ATM はエスカレータ脇の目立たないところにあるので見つけにくい。 事前に場所を確認しておいた方が無難。 もっとも、 一刻も早く ATM を使う必要があるのは、 その国を初めて訪れる時 (その国の現金を全く持っていない時) だけだが。 しかも、 台灣大哥大 (Taiwan Mobile) の SIM は、 クレジットカードでも購入できた orz。 中華電信 (Chunghwa Telecom) は現金のみ。

Chunghwa Telecom, Taiwan Mobile, FarEasTone at Taiwan Taoyuan Int'l Airport 到着ロビーへ出て左側へ進んだところに、 中華電信, 台灣大哥大, 遠傳電信のカウンターがあった (←左写真)。 台湾は SIM 管理が厳しく、 購入の際、 パスポートの他にもう一点、 身分証明書の提示が必要。

スタッフが (日本の)運転免許証を見慣れているので、 運転免許証を提示するとスムーズに手続きできる。 SIM の購入は一人一枚に制限されると聞いていた (未確認) ので、 (私が二枚まとめて購入するのではなく) 私と妻それぞれ一枚づつ購入したのだが、 妻は運転免許証を持ってないので住民基本台帳カードを提示した。 住民基本台帳カードは市町村ごとにデザインが違うので、 日本の公的な身分証明書であることを納得してもらうのに、 ちょっと手間取っていたようだ。

市町村ごとに変種がある 「証明書」 でどうやって偽造を見抜けと言うのだろう? さらに悪いことに、 住民基本台帳カードには固有番号が一切書かれていない。 もちろん、IC の中には 「住基ネット番号」 という固有番号が記録されているわけだが、 IC リーダを使わずに (フォトコピーだけで) 読める固有番号 (もちろん住基ネット番号とは異なる番号で構わない) を用意すべきではないのか? 証明書としての要件をまるで備えていない住基カード (>_<)。 こんなものを作った責任者を小一時間問い詰めたい。

4日間の滞在なので、 5日間 (120時間) データ通信し放題の SIM カード (通話も可能) を購入した。 中華電信と台灣大哥大を一枚づつ。 どちらも micro SIM を選択できた (一応 SIM カッターを持参したのだが ^^;)。 中華電信は NT$50 の度数が付いて計 NT$300 (約930円)、 台灣大哥大は NT$250 の度数が付いて計 NT$500 (約1550円)。 つまり、 どちらも 5日間の無制限データ通信の部分は NT$250 (約780円)。

「大哥大」 は (日本では) 見慣れない文字なので、 どう発音していいのか困るが、 あえてカタカナで書けば 「ダーグーダー」 (「グー」 が高く, 第1声)。 「グー」 は発音記号 (拼音, ピンイン) で書くと 「gē」 で、 「e」 は中国語の母音の中で最も(?)難しい音。 口の形は 「エ」 なのだけど 「ウ」 に近い音に聞こえる。 他の母音とくっつくと 「エ」 に聞こえることも。

「哥」 は、 (歌の意味もあるがここでは) 「兄」 の意味。 で、 それに 「大」 がついて 「大哥」 は 「いちばん上の兄」、 転じて 「男性に対して使う尊敬と親しみをこめた呼称」。 「アニキ」 みたいな感じか? そして、 さらに 「大」 がついた 「大哥大」 は 「(やくざの)ボス」。 それが転じて 「携帯電話」 ← どーしてそうなった?

大哥大
Dàgē dà
携帯電話.(‘大哥大’(香港のマフィアのボス) が携帯電話を手に持って部下に指令を出す映画のシーンから生まれた言葉で, その姿が格好よく見えるところから‘大哥大’と言われるようになった.) ≒移动电话,手提式电话.

中国語では携帯電話のことを 「移動電話」 (簡体字だと 「移动电话」) と表記することが多いが、 台湾では 「行動電話」 と表記するのが普通。 発音は 「Xíngdòng diànhuà」。

「NT$」 は、 新台湾ドル (New Taiwan dollar) の略称。 「新」と言っても最近発行されたわけではなく、 発行開始年は 1949年。 通貨コードは TWD (なら素直に TW$ と書けばいいのにな〜)。 NT$1 = 約3.1円。

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Filed under: SIM — hiroaki_sengoku @ 11:15
2012年12月27日

成功しない方法

「なぜ成功できたか?」を聞きたがる人って多いですよね? でも、そんなこと聞いてどうするのでしょうか。仮に同じことが実践できたとしても、同じように成功できるとは誰も思っちゃいないですよね?

同じように成功するのは無理としても、成功者の話には何らかのヒントがあるんじゃないか?きっとそういうことを期待しているのだと思いますが、考えてみて欲しいのは、成功しなかった人の話は誰も聞こうとしない点。もしかしたら成功しなかった人も成功者と同じことをしていたかも知れません。いわゆる「生存者バイアス」ですね。

例えば、成功できた理由を聞かれて、「自分を信じて、あきらめずに続けたから」などと答えている人をよく見たり聞いたりしますが、こーいう話を真に受けて、素質がない人が自分を信じて突き進んだりしたら、成功確率が上がるどころか、撤退タイミングを逃してドツボにはまってしまうだけです。

まあ、私自身も、「やりたいことをやるのが一番」などと言っていた時期があるので大きなことは言えないのですが、「自分がやりたいことって何だろう?」などと悩み出す人をこれ以上増やさないためにも、ここでは逆に「成功しない方法」について書くことにします。ちなみに「成功しない=失敗」ではありません。失敗は成功の元ですから、むしろ大いに失敗すべきです。

「成功しない方法」を避けたところで成功する保証は何もありませんが、多くのエンジニアが残念なことにこの「成功しない方法」を忠実に実践し、その必然的な帰結として、どんどん成功から遠ざかってしまっています。近年、「エンジニア」という職種が報われない職種になってしまっている一つの原因が、このあたりにあると感じる次第です。

もちろん、いままさに「成功しない方法」を実践している人に対して、このままでは成功からどんどん遠ざかるぞと忠告したところで、そう簡単に方向転換はできないものだとは思いますが、もし、いま「このまま進んでいていいのだろうか?」と思っているなら、少しばかり耳を傾けて頂けると幸いです。

誌面が限られているので、いきなり結論からいきます。「成功しない方法」とは、「選択肢を減らすこと」です。

選択肢と言われてもピンとこないかもしれませんが、人生には分岐点が沢山あります。たとえ八方塞がりに思えるドツボな状況に陥ってしまっていても、その後の分岐点で最適な選択さえできれば、ピンチがチャンスになったりします。ただしそれは、分岐点に選択肢の幅が十分にあればの話です。選択肢が多ければ、リカバリのチャンスがあるということですね。

例えば、選択肢を減らす典型的な方法が、借金をすることです。多くの人が 20〜30年もの長期ローンを組んで家を買ったりしますが、転職したくなったりしたとき、毎月十数万円の返済は重い足枷となるでしょう。借金がなければ思い切って生活を変える選択ができたかもしれないのに、借金があるばっかりに渋々現状維持を続け、ついにはリストラの憂き目に、なんてのはよく聞く話です。

でも、借金よりもっと選択肢を減らす方法があります。それは、自分の気持ちを優先すること。よくいますよね、「これは自分の仕事じゃない」とか言う人 (>_<)。その仕事がどんな仕事か十分に知り尽くしていて、「その仕事をする」という選択肢を除外することが合理的であるなら構わないんですが、多くの人はどんな仕事か知りもしないくせに、「自分の気持ち」だけで判断してしまいます。もしかしたら、やったことがないその仕事に挑戦することが、自分の人生の一大転機になるかも知れないのに。

あるいは、「自分がやりたいことって何だろう?」などと悩む人がいます。「やりたいことを仕事にすべき」などと (私を含めて orz) 多くの人が言ってますが、誰だって最初からそれが「やりたいこと」だったわけではないんです。なにかのはずみに始めたことが、やってるうちに (少し) 好きになり、好きでやるからどんどん熟達し、他の人よりうまくできると余計に好きになり、という好循環にはまって「やりたいことが仕事になる」んです。つまり、最初は好きでなくても自分の気持ちを無視してやってみなきゃ選択肢は増えません。それなのに、悩んでるばかりで始めないから、だんだん歳をとって、やってみるチャンスすら失われてしまいます。

また、多くの人は批判するのが大好きです。昔は飲み屋で、いまだとブログや SNS で、「上司が悪い」「会社が悪い」「社会が悪い」「政治家が悪い」。なぜ人は批判するのでしょう?社会をよくするため?とんでもない、愚痴を言ったって社会は少しも変わりません。誰かを批判すると、その人より自分が偉くなったような気分になれるから、人は批判するのが大好きなのです。

でも、批判によってよくなるのは「自分の気持ち」だけで、自分自身は決してよくはなりません。なぜなら、誰しも成長するには他人から学ぶ他ないからです。でも、「彼はバカだ」と言ってしまったら、その「彼」からは学べません。選択肢がまた一つ減るわけですね。本当に学ぶことが一切無いようなバカなら学ばなくてもいいのですが、ほとんどの場合そうではないでしょう。本当は、学ぶところが一切無いような人に対しては、批判する気にもならないはずです。

自分の気持ちを優先して選択肢を減らす例はまだまだ沢山あるのですが、誌面が尽きたのでこの辺で... もしこの手の話に興味があれば、私のブログ (「仙石浩明」で検索!) を参照してください。

- o -

以上は、 Software Design 誌に寄稿したエッセーです。 2013年1月号 第2特集 「キーパーソンに聞く 2013年に来そうな技術・ビジョンはこれだ!」 に掲載されました。 技術評論社さんの許可を得て、 全文を転載しています。

Filed under: 元CTO の日記,自己啓発 — hiroaki_sengoku @ 10:20
2012年9月4日

個人でも気軽に買える安価なスマートスイッチ GS108E (IEEE 802.1Q タグVLAN 機能付) を使ってみた 〜 UCOM光 マンション全戸一括タイプの戸内配線上にプライベートネットワークを構築

先日、 UCOM光 マンション全戸一括タイプが導入されているマンションに引っ越した。 各部屋に LAN コンセントがあり、 UTPケーブルをつなぐだけでインターネットに接続できる。 USENのスピードテストで測定したところ、 50Mbps 以上の通信が可能であるようだ。 個人ユースであれば充分な帯域。

     UCOM
       │
       │
   ┌───┴───┐
   │ マンションの│
   │  ルータ  │
   └┬┬┬┬┬┬┬┘
┌───┘│││││└───┐
│ ┌──┘│││└──┐ │
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: : :  │  : : :
 各戸へ   │   各戸へ
       │
    ┌──┴──┐
    |各戸のハブ| /29
    └┬─┬─┬┘
   ┌─┘ │ └─┐
   │   │   │
   ↓   ↓   ↓
  各部屋の LAN コンセント

各戸に半固定な /29 グローバル IP アドレス空間 (つまり 8個の IP アドレス) が割当てられていて、 LAN コンセントに PC 等をつなぐと、 マンション内に設置されたルータが DHCP でグローバル IP アドレスを配布する。 8個のアドレスのうち、 1個はこのルータが使い、 ネットワークアドレス (下位 3ビットが 000) とブロードキャストアドレス (下位 3ビットが 111) は配布されないので、 実際に配布されるのは (下位 3ビットが 010 〜 110 の) 5個のアドレスのみ (IPv4 アドレスが枯渇している昨今、 3/8 を無駄にするのはいかがなものか?)。

UCOM に問合わせたところ、 各戸のハブ (以下、ここでは 「戸ハブ」 と呼ぶ) は、 浴室の天井裏に設置されているらしい。 また、 各戸に割当てられるグローバルアドレスは、 通常は変化せず (機器構成の変更等で変わる可能性がある)、 全てのパケットはフィルタリングせずに届けられるらしい。

インターネット上の任意のホストから任意の通信が可能であるわけで、 (特に XP 以前の脆弱な) Windows マシン等を LAN コンセントに直結するのは、 セキュリティ上あまりよろしくない (有料オプションで、セキュリティ対策サービスがあるらしい)。 また、 5台以上の PC をつなぎたい場合もあるだろう。 特に UCOM光電話を使う場合は、 IP電話アダプタがアドレスを一つ使う (使わずに済ませる方法) ので、 残り 4個になる。 フツーの家庭でも 4個では足らなくなるのでは? もちろん私の場合は 12個でも足らない。;-)

普通は、 PC を LAN コンセントに直結してグローバルアドレスを使うのではなく、 NAT 機能付ルータ (無線LAN ルータ等) を LAN コンセントにつないで、 PC にはプライベートアドレスを割当てることになるだろう。 各部屋で有線LAN を使いたい場合は、 各部屋にルータ (以下、 「部屋ルータ」 と呼ぶ) を用意して PC をつなぐことになる。

UCOM によると、 マンションによっては、 戸ハブの代わりにルータを各戸に設置して、 プライベートアドレスを配布しているケースもあるとか。 セキュリティを気にするのであれば、 戸ハブをルータと交換してもらっても構わないとまで言っていたが、 私はグローバルアドレスを使いたいので、 現状の仕様のほうが嬉しい。

ところが、 この方法だと各部屋の LAN は互いに異なるプライベートネットワークになってしまい、 異なる部屋 (そういくつも部屋があるわけでもないのだが ^^;) の PC と通信したいとき困る (居間にサーバを置くのは無粋なので、 ネットワークメディアプレーヤを使う場合とか)。 各部屋ルータの間で VPN を張って、 各部屋のプライベートネットワークを一つにする方法もあるが、 VPN のオーバヘッドがモッタイナイ。

もちろん、 部屋間に (廊下などに) UTP ケーブルを這わせれば済む話だが、 美観上好ましくないのと、 私の場合は購入ではなく賃貸で借りたマンションなので、 むやみにケーブルを配線するのも憚られる。 各LAN コンセントは、 壁裏配線を介して同じ戸ハブ (天井裏の写真 ↓ ダムハブ ^^;) につながっているのだから、 一つの LAN コンセントからパケットを送れば、 他の LAN コンセントに届く。 マンションのルータは当然 IP パケットの発信元/宛先アドレスをチェックしているだろうから、 発信元/宛先アドレスがプライベートアドレスなら外部へは出さないだろう。

Baffalo Dumb Hub

したがって、 グローバルアドレスなパケットに対してはルータとして、 プライベートアドレスなパケットに対してはブリッジとして機能するブルータを、 部屋ルータとして用いればよい。 ただし、 一般に売られている安価なルータにブルータの機能を求めるのは無理がある。 Linux マシンを使えばブルータを実現するのは容易だが、 各部屋 (特に寝室) で Linux マシンを 24時間稼働させるのはいかがなものか。

もっと安易に、 各PC を LAN コンセントにそのまま (あるいはハブを介して) つなぎ、 PC にはプライベートアドレスを割当てる方法もありそう。 あらかじめ 5個のグローバルアドレス全てを使いきってしまえば (例えば各グローバルアドレスを持った PC を前もってつないでおく)、 マンションのルータが (新たにつないだ) PC にグローバルアドレスを割当てることを防ぐことができる。 そして、 プライベートアドレスを配布する DHCP サーバを動かしておけばよい。 プライベートアドレスを割当てられた PC 同士は、 異なる LAN コンセントにつながれていても、 戸ハブ経由で通信できる。

ただしこの方法は、 PC にグローバルアドレスが割当てられてしまうことを完全には防げない。 なんらかのトラブルによりグローバルアドレスを使いきれない状態が生まれると、 そのとき LAN コンセントにつないだ PC には、 グローバルアドレスが割当てられてしまう。 グローバルアドレスが割当てられても、 (当然) フツーに通信できるわけで、 ユーザはグローバル空間に晒されていることに気付かない。 セキュリティ的にかなり好ましくない事態と言える。

各部屋にブルータ (という名の Linux マシン) を配置するしかないのか? と思っていたら、 タグVLAN (IEEE 802.1Q) 機能を持った安価なスイッチングハブを見つけた。 タグVLAN は業務用のインテリジェントスイッチでないと使えないと思っていたが、 1万円以下 (6400円) で買えるとわ... 思わず e-TREND で衝動買い。

本当は 5ポートの GS105E を買いたかったが、 日本では入手するのが難しそう。 8ポートの GS108E なら、 e-TREND の他、 NTT-X Store などでも送料込 6400円で購入できる (どちらのショップも 「在庫なし」 と表示されるが、 私が e-TREND に注文したときは 1週間程度で届いた)。

タグVLAN 機能付ハブを使えば、 ブルータよりもっとスマートにプライベートネットワークが実現できる。 つまり、 部屋間のプライベート通信はタグを付けて行なう。 戸ハブは (ダムハブなので) タグの有無にかかわらずなんでも中継してくれるし、 マンションのルータはタグ付パケットを無視する。

GS108E-living

GS108E を 3個購入し、 各部屋 (便宜上、ここでは居間、寝室、書斎とする) に配置する (写真 → は、居間に設置した GS108E, その上に置いてあるのは無線LAN AP, 左は IP電話アダプタ)。

VLAN ID 1 をグローバルネットワークに、 VLAN ID 2 をプライベートネットワークに使うことにする。 各 GS108E のポート 01 には、 各部屋の LAN コンセントをつなぎ、 VLAN ID 1 をタグ無しで、 VLAN ID 2 をタグ付で流す。 ポート 04 〜 08 は、 プライベートネットワーク専用ということにして、 VLAN ID 2 のみをタグ無しで流す。

グローバルネットワークに接続する必要があるのは、 グローバルアドレスをプライベートアドレスへ変換する部屋ルータ (という名の Linux サーバ) と、 IP電話アダプタ (UCOM光電話) のみ。 前者 (部屋ルータ) は書斎にある。 部屋ルータは、 グローバルとプライベートの両方のネットワークに接続する必要があるが、 幸い Linux はタグ付パケットを扱えるので、 単一の NIC で両方のネットワークに接続できる。 書斎の GS108E のポート 02 に部屋ルータをつなぎ、 ポート 01 と同様、 VLAN ID 1 をタグ無しで、 VLAN ID 2 をタグ付で流す。 書斎に他の PC が無ければ、 部屋ルータを LAN コンセントに直接つないでもよい。

後者 (IP電話アダプタ) は居間にある。 IP電話アダプタはグローバルネットワークにだけつなげればよいので、 居間の GS108E のポート 02 にIP電話アダプタをつなぎ、 VLAN ID 1 をタグ無しで流す。 急遽グローバルネットワークに接続したい機器が増えた場合に備えて、 ポート 03 にも VLAN ID 1 をタグ無しで流す (つまりグローバルネットワーク専用) 設定にした。

GS108E-living VLAN config

タグVLAN は、 一本のケーブル上に複数のネットワークを同居させることができる便利な規格。 ケーブルを何本も這わすことが (美観上の理由で) 難しい家庭でこそ必要な機能なのに、 普及価格帯のハブでタグVLAN をサポートしているのは (私が知る限り) GS105EGS108E のみ。 タグVLAN 機能を持った安価なスマートスイッチが増えることを願ってやまない。

Filed under: システム構築・運用 — hiroaki_sengoku @ 11:40
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