仙石浩明の日記

2024年3月21日

突然死した Pixel4 から nanaco 残高を救い出した話

何の前触れもなく Pixel 4 が壊れた。 寝る前フツーに使っていたのに、 朝 7:00 ごろ見ると電源オフ状態になっている。 電源ボタンを長押しても何の反応もない。

単なるバッテリー切れ? と思って USB ケーブルをつないで充電してみる。 が、 画面は暗いまま。 電流を測ってみると 200mA ほど。 充電が行われているようには見えない。 もちろん USB の信号線にも何の応答もない。 「電源ボタン + ボリューム小」を長押し (強制再起動) しても無反応。

自宅の Wi-Fi ルータのログを見ると、 朝 6:46:06 に Pixel 4 から Google (*.1e100.net) に対して https アクセスをしたのが Pixel 4 からの最後の通信。 朝方までは正常に動いていたみたい。 自宅の Wi-Fi に接続しているスマホは、 その状態を監視するために、 定期的にサーバから ping を打っているが、 6:51:21 に打った ping には応答がない。 つまり起床直前、 06:46 〜 06:51 ごろ Pixel 4 が機能を停止したのだろう。

一週間ほど USB ケーブルをつないだまま放置したが、 ついに何も変化は起きなかった。 バッテリーや充電回路の問題というよりは、 ロジックボードの突然死が疑われる。 つまり分解してバッテリーを直接充電したとしても、 復活する望みは薄い。

機種変更できるアプリは、 速攻で他のスマホにインストールし直したが、 問題は おサイフケータイ。 Suica や nanaco には残高があったはず。

Suica は PC 等でモバイルSuica会員メニューサイトにログインして、 利用停止手続き を行うだけ。 10分後に新しいスマホに引き継げる。 翌朝 5:00 までは残高は 0円と表示されるが、 それ以降に確認したら残高が復活していた。

ところがセブン・カードサービス (nanaco の運営会社) は、 会員メニューサイトにログインするだけでは本人確認が充分でないと考えているらしい。 他人が (何らかの方法で窃取したパスワードを使って) 勝手にログインして利用停止手続きを行い、 残高を奪うことを恐れているのだろう。 まあ、nanaco のパスワードなんてテキトーに設定している人も多いだろうから、 その懸念は理解できなくもない。

nanaco の場合、 まず nanaco の機能停止を行った上で 「引継番号」 を発行し、 その「引継番号」を使って新しいスマホに nanacoモバイルアプリをインストールする。 ただし、 この段階では nanaco 残高は引き継がれない。 セブン・カードサービスから送られてくる 「nanaco引継申請書」に新しいスマホの nanaco番号を記入し、 本人確認書類 (マイナンバーカードなど) のコピーを添付して返送する必要がある。

この引継番号は、 機種変更の際の「引継番号」と同じものと思われるが、 機種変更の場合は残高が直ちに引継がれる点が異なる。

「引継番号」の発行までは以下のように WEB で手続きできる:

nanaco transfer 1

Suica のように会員メニューから故障 (or 紛失) したスマホの Suica の機能停止ができれば簡単なのだが、 nanaco の場合は、 氏名・生年月日・電話番号 (以下、「登録名義」と略記) を指定することで、 故障 (or 紛失) したスマホの nanaco (以下、「紛失nanaco」と略記) を特定するらしい。

つまり登録名義さえ分かれば、 他人が勝手に nanaco を機能停止できる? これって会員メニューサイトのパスワードを窃取するより簡単じゃない? 誕生日なんて facebook 等で公開している人が多いような… (ちなみに私は公開していない)

まあ、 紛失nanaco のユーザ全員が会員メニューにログインできるとは限らない (そもそもパスワードを忘れてしまっていたりする) から、 このような方式にしているのだろう。

ところが、 同じ登録名義の nanacoモバイルを複数持っているとやっかいである。 それぞれ違う電話番号を登録しておいた方がいいのかも?

nanaco transfer 1

登録名義だけでは紛失nanaco を特定できないので、 紛失nanaco を利用したときのレシートが必要になる。

つまり、 レシートに記載されている 「店名」 「日付/時間」 「支払額」 「nanaco番号下4桁」 を使って紛失nanaco を特定する。

そんな回りくどいことをしなくても、 16桁の nanaco番号を入力させればいいのにと思うが、 紛失nanaco のユーザ全員が nanaco の番号を覚えているとは限らない、 という配慮なのだろう。

とはいえ、 私の場合は最後に Pixel 4 の nanaco を使ったのは 1年前だったので大変だった。 普通の人は 1年前のレシートなんか保存していないのでは?

なお、 レシートは 1年以内のものでなければならない。 おそらくセブン・カードサービスが 1年以内の取引履歴しか保存していないのだろう。

nanaco transfer 1

というわけで無事、紛失nanaco の特定が行われて、 翌朝 6:00 までに紛失nanaco が機能停止することとなった。

nanaco reissue

続いて、 引継申請書を郵送する住所を入力すると、 引継番号が発行される。 新しいスマホに nanacoモバイルアプリをインストールして nanaco の再発行を行い、 引継番号を入力すればよい。

この段階では残高は 0円である。 以下、 この nanaco を「新nanaco」と略記する。

3日後、 nanaco引継申請書が (郵便で) 送られてきた。 新nanaco の nanaco番号と、 氏名、 生年月日、 連絡先住所を記入し、 公的書類の写しを貼付けて (郵便で) 返送する。

公的書類は、 運転免許証、 パスポート、 健康保険証、 年金手帳、 住民票 (6ヶ月以内)、 マイナンバーカード (裏面は不要) などが使える。

nanaco center 11300yen

一週間が経ったころ、 何の知らせもなかったが何気なく新nanaco アプリを確認すると、 センターお預かり分 マネー残高が 11,300円になっていた (画面中央、マネー残高 0円の右隣のカッコ内)。

これで安心と思った直後、 悲劇が襲った。

「新しいスマホ」 と書いたが、 実は Pixel 4 より古い Pixel 3 である。 とりあえず余っているスマホに、 紛失nanaco の残高を移しておこうと思って、 Pixel 3 を使ってしまったが、 これが致命的な失敗だった。

Pixel 3 は 2018年11月に発売されたスマホであり、 Google Play システムアップデートは 2021年12月1日を最後に終了している。 おサイフケータイのサポートも終了してしまっていたらしい。

つまり、 おサイフケータイのバージョンは 2021年当時のまま止まっている。 一見、 正常に使えるように見えたのだが、 おサイフケータイの残高を増やそうとするとエラーになる。

センターお預かり分が 11,300円になっていたのを見て、 すぐ 「センターお預かり分反映」 操作を行ってしまった。 いまから思えば、 センターお預かり分の反映を行う前に、 おサイフケータイ アプリのバージョンが最新か、 最新でなければ Google Play ストア アプリで最新版にアップデートできるか、 確認すべきだった。

nanaco center to card





nanaco error RSYE28

nanacoモバイルアプリが、 おサイフケータイの残高を増やそうとするが、 おサイフケータイのバージョンが古すぎてエラーになる。 画面には 「エラー」 「通信環境や端末の機内モード設定をご確認ください。(RSYE28)」 という表示。

こうして nanaco 残高は失われた。 「マネー残高」は 0円のままで、 「センターお預かり分」も 0円になってしまった。 1万円あまりがパー。

さて、どうすればいいのだろう? しばし途方に暮れる。 アプリの更新ボタン (右上隅) を押すと 「カード情報更新に失敗しました」 というエラーが表示されるので、 アプリ側からすると残高を追加しようと試み続けているのかもしれない。 が、 おサイフケータイを最新版にアップデートする方法はなく、 万事休す。

もちろん話はここで終わらない。 高々 1万円あまり、 あっさり諦めてもいいのだが、 試行錯誤してみるという経験はプライスレス。

要は、 こちらの Pixel 3 で起ったことを、 セブン・カードサービスに納得さえしてもらえれば、 彼らにとって「センターお預かり分」に残高を追加することなぞ容易いことだろう。

nanaco など、 FeliCa チップ内に残高を蓄えるタイプの電子マネーは、 一見スマホと店舗端末だけで取引が完結しているように見えるが、 実際にはサーバが深く係わっている (唯一の例外は Suica の自動改札)。 したがって nanaco でどんな取引が行われたか、 全てサーバ側に記録が残っている。

ということは、 Pixel 3 上で 「失われた 1万円」は、 サーバ側にとっても 「失われた 1万円」 として認識できるはず。 だからサーバ側のログを正しく解釈できる人の協力が得られれば、 Pixel 3 で起きたことを納得してもらうことは容易いハズ。

もちろん、 そんな人がコールセンタのオペレータを担当しているわけはなく、 「ログを読める人」 に取り次いでもらわなければ話が前に進まない。 といっても、 いきなり「上司に代われ」では、 「ログを読める人」 ではなく クレーマー処理係に取り次がれてしまうのがオチである。 できるだけ平易に、 かつこちらが大変困っていることを訴えて、 なんとか助けてあげようという気にさせなければダメである。

想定問答を準備しつつ、 万全の体制を整えて、 nanacoお問合せセンター 0422-71-2266 へ電話した。 まず、 新nanaco へ残高の引き継ぎが行われた時の履歴を確認してもらう。 本来なら登録名義から新nanaco を検索するフローだと思うが、 時間短縮のため、 いきなり新nanaco の nanaco番号を伝えさせてもらう。

続いて、 新nanaco でその後の履歴が、 今日に至るまで全く無い (つまり新nanaco で 1円たりとも支払っていない) ことを確認してもらう。 電話をかけてからここまで 8分。 そもそもオペレータに電話がつながるまで何分か、かかっているので悪くない。

そしてついに、 「他の担当者に引き継ぐので、 その者から折り返し電話させる」 との回答を得た! やったね! 電話をかけてからここまで、わずか 14分。 イレギュラーな対応をしてもらったことを考えれば、 履歴の確認から担当者交替まで 6分しかかからなかったのは上出来と言える。

nanaco quit

電話を切ってから 15分後、 新しい担当者から電話がかかってきた! センター預りを反映した時刻および、 それが新nanaco の残高に反映されてないことを、 直ちにサーバ側のログから確認してもらえた。

彼曰く、 「FeliCa チップに書込むところで処理が止まっている。 これから 1ポイント付与するので、 もう一度センター預りを反映してみてもらえないか?」

すばらしい! 問題の所在だけでなく、 解決策の提案までしてもらえた。 が、おサイフケータイのバージョンが古いことが原因なので、 反映をもう一度やったところで結果は変らないだろうと私が言うと、 直ちに同意してもらえた。 話が早い!

続いて彼が提案したのは、 新nanaco アプリでの退会操作。 ええっ? 退会したら残高が消えちゃうんじゃないの? まあ既に消えているわけだけど。 彼曰く、 残高を他の nanaco に付与するには、 新nanaco の残高が確実に抹消されたことを保証する必要がある。 なるほど、 そりゃそうだ。

というわけで、 新nanaco アプリで退会操作を行う。 退会手続きなんて、 最初で最後じゃなかろうか? ちょっと緊張。

正しく退会処理が完了したことをサーバ側でも確認してもらって、 続いての提案は 「nanaco引継申請書を郵送するので、記入&公的書類の添付して返送して欲しい」。 え? またもや「nanaco引継申請書」? しかも今度は引継番号なしで、 申請書に記入した nanaco番号の nanacoモバイルへ残高を追加してくれるらしい。

残高をどの nanaco に追加するかは、 申請書に nanaco番号を記入するから特定できるとして、 どの残高 (今回の場合であれば Pixel 3 で失われた 1万円あまり) を追加するか、 どうやって申請書から読み取るのだろう? おそらく登録名義で突合するのだと思うが、 そもそも今回は引継じゃなく退会してしまったんだし… まあ、もしうまくいかなかったらその時また電話すればいいやと思って、 電話を切った。 通話時間 15分。 こんなに早く話が片付くとは感動モノ。

3日後、 nanaco引継申請書が (郵便で) 送られてきた。 前回とほとんど同じだが、 今回は新nanaco の nanaco番号ではなく、 Pixel 7 Pro の nanaco番号を記入した。 万が一のトラブルに備えて、 わざわざ残高を (セブン-イレブンで楽天ギフトカードを購入して) 0円にしたが、 ふだん使ってる Pixel 8 Pro を nanaco 残高そのままで使っても問題無かったかもしれない。

そして nanaco引継申請書を返送してから 10日ほど経った 3月19日、 ついに Pixel 7 Pro の nanacoモバイルに、 「センターお預り分 11,300円」の表示が現れた! Pixel 7 Pro なので問題無くセンター預りを反映できて、 ぶじマネー残高が 11,300円になった! nanaco残高の救出作戦完了!

おしまい。

Filed under: Android — hiroaki_sengoku @ 08:31

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