仙石浩明の日記

2010年9月4日

中国でプリペイド SIMカード 神州行と如意通を買ってみた hatena_b

週末に休みを追加して北京へ行ってきた。 今回は全日程終日自由行動のパックツアーだったので、 昨年 「連れ回しパックツアー」 で北京へ行ったときには見せてもらえなかったところ (終日バスで連れ回されたので街の日常の風景を見ることができなかった) が見えてきて大変興味深かった。 が、 その内容をここで書いてしまうと、 このブログが中国から読めなくなってしまいそうなので自粛。

実質 3日間の短期滞在だったので、 日本で使ってるソフトバンクのケータイをそのまま持ち込んで 「海外パケットし放題」 でもよかったのだが、 せっかく訪れたのだからと北京でも SIMカードを買ってみた。

China unicom at BCIA

北京首都国際空港 (簡体字だと 「北京首都国际机场」) に着いてすぐ 「电话卡」 (直訳すると 「電話カード」) と書いてある SIMカード自販機が目を引く (写真は出発ロビーの自販機だが、到着ロビーにもある) が、 通話料なしで 100元 (約 1300円) もする。 つまり SIMカードを買っただけではダメで、 通話料をチャージ (中国語では 「充値」) しなければ使えない。 街中なら 50元の通話料込の SIMカードが 100元以下で売っている (つまり SIMカード単体の価格で比較すれば半額以下) ので、 空港での購入は見送った。 SIMカードに限らず、 中国では場所によって値段が大幅に変わってくるので注意が必要。

私は中関村 (簡体字だと 「中关村」) のケータイショップで買ったのだが、 中関村でなくても、 というかむしろ西単とかの繁華街の方が簡単に買える。 「我要SIM」 (正しくは儲値卡) などと紙に書いて店員に見せたら (四声をちゃんと発声しないと通じないので紙の方が早いし正確, もちろん英語は通じない) 電話番号ごとの値段リストを見せてくれた。

50元の通話料込で 88元の神州行 (中国移動通信のプリペイド SIMカード) の番号があったので、 これをくれと指し示すと、 いろいろ言ってきて (中国語なので何を言ってるのか皆目分からず) 別の 128元の番号を勧めてきた。 128元でも (空港での値段に比べれば) 充分安いのだが、 騙されて高いものを売り付けられるみたいでシャクである。 そこでそれでは高すぎて話にならんという顔をすると、 (パッケージ等に入ってない剥き出しの) SIMカードの束を持ってきた。 在庫を見せるから好きなのを選べということらしい。 何枚か (SIMカードに書いてある電話番号と値段リストを照合しながら) 眺めて 90元の SIMカードを見つけたので、 当初の 88元より高いが 2元 (約 26円) にこだわって時間を費やすのも馬鹿らしいので 90元 (約 1200円) で妥協した。

China Mobile SIM Card

アクティベートをやってもらおうと、 買った神州行と GSM 携帯電話 Motorola ZN200 を差し出したら、 すぐ意図が通じた。 Motorola ZN200 に入れてアクティベートしてもらった神州行に対して、 その場でソフトバンクケータイ (SIM ロックされた iPhone4, 中国聯通へローミング中) から電話してみて、 鳴ることを確認。 ちなみにこの店も、 次の 「如意通」 を買った店も、 現金を出しただけで購入できた。 身分証明書等は一切必要なく (身分証明書が不要なのは香港も同じ)、 レシートすらくれない (求めればくれたかもしれないが、 receipt とかの超簡単な英単語すら通じないので... 「我要 領収書」 とか筆談すればよかったのかも?)。

続いて、如意通 (中国聯通のプリペイド SIMカード) も買ってみようと別の店に入る。 中国移動通信 (簡体字だと 「中国移动通信」) は TD-SCDMA (中国独自の 3G 規格) であるのに対し、 中国聯通 (簡体字だと 「中国联通」) は WCDMA (ドコモやソフトバンクと同じ 3G 規格) なので、 如意通を入れれば Nexus One で 3G データ通信ができるのではないかと思ったため。 実際、中国聯通に接続した iPhone4 (SIM ロックされているので、もちろんソフトバンクの SIMカード) で 3G データ通信 (海外パケットし放題) ができている。 ちなみに中国電信 (簡体字だと 「中国电信」) は CDMA2000 (au と同じ 3G 規格)。

China Unicom SIM Card

先ほどの店と同様に、 電話番号ごとの値段リストを見せてもらうと、 如意通は 30元の通話料込で 128元 (約 1700円) らしい。 先ほどの神州行と比べるとえらく高い。 というか空港の自販機での販売価格 (100元+30元) とほぼ同じ。 先ほどの店と違ってこちらは (SIMカード剥き出しではなく) パッケージの状態で売っている。 この店で扱っている如意通は全て 128元で統一されているようだ。 別の店をあたるのも面倒になってきたので買うことにした。

ところが!

パッケージに入っていたので気付かなかったのだが、 SIMカードに 「GSM」 と書いてあった (↑ 写真参照)。 3G と GSM で SIMカードが違うとは思ってもみなかった (香港や米国では GSM/3G 両用の SIMカードが一般的)。 3G を試してみたくてわざわざ如意通を買ったのに大ショック。orz

China Unicom SIM Card Package

SIMカードが入っていたパッケージ ↑。 説明書も同封されていたが中国語のみ。 「如意通 标准卡」 (直訳すると 「如意通スタンダードカード」) の 「标准」 (「標準」の簡体字) が GSM 専用を意味していたのかも? 「如意通 大家连通」 (直訳すると 「如意通 みんな接続」) は如意通のキャッチフレーズ?

Nexus One にこの如意通を入れてみると、 「3gnet」 と 「3gwap」 の二つの APN が自動で設定された。 3G 網にはアクセスできないのに APN が 「3gnet」?

android 2.2 froyo の場合、 /system/etc/apns-conf.xml に APN の一覧を持っていて、 MCC (Mobile Country Code) と MNC (Mobile Network Code) の組が一致する APN のみ、 「モバイルネットワーク設定」 の 「アクセスポイント名」 に表示される。 今回購入した如意通は、 MCC="460", MNC="01" であるようだ。 MNC一覧でみると、 帯域は 「GSM 900 / GSM 1800 / UMTS 2100」 と書いてあって、 GSM と 3G は同じ MNC になっている。

デフォルトで設定された 「3gnet」 のままデータ通信を行なってみると、 GSM とはいえ普通にアクセスできた。 未読だったメールが次々ダウンロードされる中、 日本の新聞社のサイトなどをアクセスしてみると普通に表示された。 調子に乗って次々ニュースを読んでると、 突然データ通信が止まって、SMS メッセージが届いた:

From: 1013089

尊敬的用户,您现在的余额为9.66元,为了不影响您业务的使用,请及时充值。

私は中国語が全く読めないが漢字なので (簡体字に慣れさえすれば) なんとなく意味は推測できる。 つまり、 「您」 は 「あなた」、 「为」 は 「為」 の簡体字、 「影响」 は 「影響」 の簡体字、 「业务」 は 「業務」 の簡体字、 「请」 は 「請」 の簡体字で 「お願い」 の意味であることさえ知っていれば、 「現在の残高が 9.66元しかなく、 あなたの業務への影響を避けるにはチャージしてください」 という意味だろうと推測できる。 残高が 0元になるまでデータ通信が止まらない SIM カード (香港で中国移動を使ったときはデータ通信をしたらあっと言う間に HK$0 になった) に比べると 9.66元を残して止めてくれたのは良心的。 (わずか) 9.66元とはいえ、 通話料は 0.12元/分なので、 80分以上通話できる。 私の 3日分の利用には全く差し支えない。

如意通のパッケージに入っていた中国語の説明書 (裏面) を、 (中国語が分からないのに) 何度も読み返しているうちに、 「SQGPRS20」 というメッセージを SMS で 1065581234 に送れば、 GPRS20 パッケージを利用できて、 月額20元で 150MB までデータ通信が可能だったのではないか、 という気がしてきた。 読書百遍意自ずから通ず、 とはよく言ったものだ。 説明書の裏面には以下のような記述がある (《...》内は私がつけた直訳):

6、GPRS流量资费 《料金》

(1)GPRS流量资费: 0.03元/KB, 信息费由内容提供商定价, 联通代収。
(2)包月套餐资费标准 《毎月パッケージ料金標準》

套餐名称月使用费(元)套餐内包含流量 超出套餐资费
(元/KB)
GPRS55 30MB0.01
GPRS2020 150MB
GPRS5050 500MB
GPRS100100 2GB
GPRS200200 5GB

... 中略 ...

説明:
●毎月用户《ユーザ》的套餐流量实行15G以内500元封頂, 超过15G用户
 GPRS効能将被暂停, 下月自动开通《来月自動開通》。
... 中略 ...
●GPRS包月套餐当月申请《申請》, 次月生效《発効》。自套餐生效起毎月月初
 扣除《控除》月功能费
... 中略 ...
●通过短信营业厅《SMSによる》申请、退订《解除》、查询《問合せ》GPRS套餐的方式:
 申请: 编辑SQGPRS+套餐档位至1065581234
 取消: 编辑SQGPRSTC至1065581234
 查询: 编辑CXGPRS至1065581234

... 後略 ...

月額課金パッケージの申請をしないと、 0.03元/KB が適用されるということが書いてあるのだと思われる。 「信息费由内容提供商定价, 联通代収」 は、 コンテンツプロバイダーの情報料は中国聯通が代行して徴収する、という意味?

月額課金パッケージの申請をすれば 「套餐内包含流量」 つまりパッケージに含まれる流量 (GPRS20 なら 150MB) まではパッケージ料金に含まれていて、 それを超えると 「超出套餐资费」 つまりパッケージ超過料金 0.01元/KB が適用される、 ということなのだろう。 15GB 以内なら 500元が課金の上限で、 15GB を超えると一時的に利用が止められ、 翌月再び使えるようになるということらしい。

ただし、 「当月申请, 次月生効」 と書いてあるので、 SMS を 1065581234 へ送って申請しても、 効力を生じるのは翌月から、 と書いてあるようにも読める。 ということは、 ちょうど月末に訪れた場合を除き、 短期滞在だと月額課金パッケージは利用不可能ということなのか。

英語の説明書を (Web 上でもいいので) つけて欲しい!

どちらの SIM カードも GSM 専用で日本では利用できないし、 有効期限までに中国を再訪する予定はない (香港には年末に行く予定だが) ので、 Yahoo!オークションに出品してみた (神州行, 如意通)。

神州行が 40元ほど、 如意通は 9元ほど、 残高があると思われるが未確認。 近いうちに中国に行く予定のあるかたは落札して頂けると幸い。 有効期限は、 神州行が 2011年1月20日、 如意通が 2011年6月30日と書かれているが、 添付されている説明書 (あるいは Web 上の説明) が中国語のみで、 英語の説明を見つけられなかったので、 本当にこの期限まで使えるのか (例えば、何ヵ月か通話しない月があったときに無効になったりしないのか、とか) は不明。

Filed under: SIM — hiroaki_sengoku @ 00:34

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