廉価な 1TB SATA ハードディスク ドライブ (以下 HDD と略記) として有名な、 Western Digital 製 WD Caviar GP WD10EACS は、 省電力・静音を謳っている。 環境に優しいのは結構なことだが、 その実現方法:
IntelliPower - きめ細かく調整された ディスク回転速度 転送速度 及びキャッシュサイズの調和により飛躍的な省電力と確実なパフォーマンスを提供します
IntelliPark - 風損を減らす為のアイドル時の自動ヘッド退避によりドライブは消費電力を低減する
IntelliSeek - 電力消費量、ノイズおよび振動を低減させるために、最適なシーク速度を計算します。
GreenPower ハードドライブ から引用
のうち、特に「アイドル時の自動ヘッド退避」というのがいただけない。 ヘッドを退避すれば空気抵抗が減ってモーターの負荷が減るから 低消費電力が実現できる (実際、アイドル時の消費電力は際立って低い)、 ということなのだろうが、 常時使用する PC (特にサーバ) だと「自動ヘッド退避」の回数が とんでもないことになる。 SMART 情報を見ると:
# smartctl -a /dev/sdb smartctl version 5.37 [i686-pc-linux-gnu] Copyright (C) 2002-6 Bruce Allen Home page is http://smartmontools.sourceforge.net/ === START OF INFORMATION SECTION === Device Model: WDC WD10EACS-00ZJB0 Serial Number: WD-WCASJxxxxxxx Firmware Version: 01.01B01 User Capacity: 1,000,204,886,016 bytes ... Vendor Specific SMART Attributes with Thresholds: ID# ATTRIBUTE_NAME FLAG VALUE WORST THRESH TYPE UPDATED RAW_VALUE ... 9 Power_On_Hours 0x0032 095 095 000 Old_age Always 3826 12 Power_Cycle_Count 0x0032 100 100 000 Old_age Always 24 192 Power-Off_Retract_Count 0x0032 200 200 000 Old_age Always 19 193 Load_Cycle_Count 0x0032 197 197 000 Old_age Always 11327 ...
わずか 3826 時間 (159日、約5ヶ月) で、 実に 11327回もの自動ヘッド退避が行なわれている。
この異常な回数の自動ヘッド退避が原因かどうかは分からないが、 この 1TB HDD は 2007年11月30日に 28140円で購入してから わずか 5ヶ月余りの 2008年5月2日に故障した。 こんなに早く故障するとは思ってもいなかったので、 T-Zone の延長保証 (200円の追加で通常3ヶ月保証を最長6ヵ月保証) を掛けていなかった。 6ヶ月ではどーせ故障しないから保証を掛けるだけ無駄と判断したのだった (ついでに言うと、6ヶ月では故障しないだろうと高を括っていて、 まだ一部バックアップしていないデータがあったので、 復旧にえらく手間取った。1TB もあると復旧も一筋縄にはいかない)。
運が悪かったとあきらめるしかない (二度とグリーン・パワー・ハードディスクは買わないぞっ!) と思っていたら、 RMA (Return Merchandise Authorization, 返却承認) という メーカによる保証があるということを同僚から教えてもらった (社内IRC で HDD の故障を嘆いていたら、哀れに思って教えてくれたらしい ^^;)。 RMA番号を取得した上で故障品をメーカへ送ると、 代替品を送り返してくれる、という保証。
ステップ3
製品が故障していて交換が必要と判断された場合、 RMA タイプを下から選択して RMA(返却承認)手続きを開始してください。
Standard Replacement
お客様から故障製品を受け取ったあとに代替製品を送付します。 RMA が作成されてから30日以内に故障製品を返送してください。エンドユーザー向け製品交換 から引用
Western Digital の エンドユーザー向け保証確認ページで、 故障した HDD のシリアル番号を入力してみると、

おお、「限定保証期間内」と表示された。 有効期間は再来年の 12月まで、三年間もあるらしい。 もしかしたら交換してもらえるかも?と期待が膨らむ。 といっても RMA なんて今まであることすら知らなかったわけで、 どうやって故障品を送ったらいいのか見当もつかない。
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