仙石浩明の日記

2006年5月9日

出版社のWebページへ寄稿する理由とは?

出版社のWebページへ寄稿する理由って何だろう?
出版社のWebサイトには、著名人が執筆したコラムが多数掲載されている。

出版社にとっては、 サイトを充実させることによって 来訪者が増えるというメリットがあるのは分かる。 雑誌と違って流通コストがかからないから、 紙面の制限もないわけで、 こうしたコラムは多ければ多いほど好ましいに違いない。

しかし、執筆する側のメリットがよく分からない。 誰でも低コストで自分が書いた文章をネットへ発信できるし、 内容さえマトモであれば、 それがどこにあろうとあまり関係ないように思われる。 まして著名人が書くコラムであれば、 どこに置いたとしても すぐ広まるし、 大勢の人に読んでもらえるだろう。

逆に、出版社のWebサイトに置いたとしても、 内容がなく、著者が無名の人であれば滅多に読まれないだろう。 そのサイトの登録会員にメール等で告知することによって 一時的に読者を増やすことができたとしても、 あくまで一時的であって、 内容が読むに値しなければすぐ忘れ去られるだろう。

つまりWebの場合は、重要なのは内容であって場所ではない。

一方、紙媒体には Webとは異なる読者層へ届けることができるというメリットがあるわけで、 紙媒体への寄稿には書く側にも十分な理由があると思う。 私自身、何年か前に雑誌の連載記事を書いたことがあるが、 原稿料はオマケと思えるくらいの大きなメリットがあったと思っている。

したがって、執筆する側にとっては、 Webと紙媒体は根本的に異なるものだと思う。 にもかかわらず、Webサイトへの寄稿の場合も、 雑誌等への寄稿と同様の扱いらしい。 つまり、文章量に応じた原稿料のみで、 ページビューに応じた支払いとかの制度は無い、 という説明を、某出版社の編集者のかたから受けた。

それならなぜ、Webサイトに寄稿する人がいるのだろう?
単に、私が書く駄文には価値がないから原稿料だけで我慢しろ、 ということ? (^^;)
実は私が知らされてないだけで、 Webページならではの報酬体系がある?
まあ、それならそれでかまわない ;-( ので、 原稿料以外のメリットとして、 どんなものがあるのか教えていただけると幸いである。

6/11追記: 「みなさん、さようなら。ブログ連載から降ります。」というコラムを見つけた。 低価格原稿料を定着させてしまうと、原稿料の活字メディアが衰退する、 という趣旨のようだ。 原稿料が高ければいい、という問題なのだろうか?

同コラムから引用:

それじゃ何でそんな仕事を引き受けたんだ?  はい、いいご質問ですね。AFPBBの影響力というものを見てみたかったからです。

Web媒体と紙媒体を同じようなものとしてみているこの考え方には 同意できない。

烏賀陽さんがぶち切れているから引用:

自分の原稿が知的財産だと思うなら、 「原稿料は要らない。その代わり、 俺の記事を掲載して生まれるPVに対し、 1年間は1PVあたり1円の対価を払ってくれ」とか何とか、 そういう契約を要求すればいいんじゃね? と思うわけだ。僕が編集長なら、 上限キャップはめたりとか多少のリスク管理はすると思うけど、 そういう契約も実験してみてもいいかなと思う。 PVだけが成果の尺度とは限らないけど、 まあそういう考え方もアリだろう。

同感であるが、こういうブログが書かれるところをみると、 「出版社のWebページへ寄稿する理由とは?」という 私の疑問に対する答は、 少なくとも現時点では「原稿料」という つまらない答になってしまうのか。

どなたか PVベースで支払う実験をしてみよう、という編集長の方、 いらっしゃいませんか?

Filed under: その他 — hiroaki_sengoku @ 19:57

5 Comments »

  1. 仙石さん、こんにちは。佐野です。
    僕の場合は「締め切りがある」というのが一つの理由かなぁと考えています。
    アウトプットって出せば出すほど不思議とインプットも増えていくので、アウトプットは積極的にやったほうがよいと考えています。ただアウトプット先が個人blogだったりすると書いても書かなくてもよいわけで、よほどの意思がないとだんだんだらけていきますよね。
    その点連載を持つと絶対に締め切りまでに書かなければならないので、毎回辛いですが修行にはなるなあと思っています。

    Comment by sanonosa — 2006年5月9日 @ 22:44

  2. ですよねぇ > よほどの意思がないとだんだんだらけていく
    私は何とか、ほぼ毎日のペースを維持し続けていますが、いつまで続くやら… 二つのブログを毎日更新するのは、やっぱり大変ですね (^^;)。
    今のところ、ランキングを上げようというのがモチベーションとなっていますが…
    書き続けるためにも、
    ← サイドバーの Ranking を「ぽちっと」してもらえるとうれしいです。
    ついでといってはアレですが、「仙石浩明CTO の日記」のほうもよろしくです。

    Comment by 仙石浩明 — 2006年5月10日 @ 09:32

  3. > 書き続けるためにも、
    >← サイドバーの Ranking を「ぽちっと」してもらえるとうれしいです。
    押しました!(笑)
    あと昨日布団の中で気づいたのですが、WEB連載の場合「どんな記事を書くと読者に受け入れられるのか検証できる」というのが一つメリットであると気づきました。よい記事はトラックバックなりはてなブックマークなりがすごい勢いで付いていくようです。
    それから自分の作品としてプロフィールに簡単にリンク付けできるのも強いていえばメリットかな。

    Comment by sanonosa — 2006年5月10日 @ 10:47

  4.  仙石さん、はじめまして。うがやさんのページから来ました。
     PVではないですが、今度日本上陸するオーマイニュースは、韓国では読者がいい記事を書いた人にチップを出すという仕組みが作られているそうです。日本版の編集長は鳥越さんですが、どうなるのか楽しみですね。

    Comment by にゃんまげ太郎 — 2006年6月11日 @ 17:08

  5. コメントありがとうございます。
    チップですか… 記事の評価をどう行う仕組みなのか、気になりますね。

    Comment by 仙石浩明 — 2006年6月11日 @ 17:55

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