仙石浩明の日記

2006年11月14日

未踏ソフトウェア創造事業の集会 ESPer2006 秋の陣 でプレゼンします

ご存じの方も多いと思いますが、 情報処理推進機構(IPA)が実施している個人支援事業に、 未踏ソフトウェア創造事業 (Exploratory Software Project) があります。 私自身、第一回め(2000年)に 「携帯電話用アプレット開発ツール」を採択いただき、 超優秀な学生さん二人と共に、 Java と文法レベルで互換のコンパイラ&VM (Virtual Machine) を開発しました。 テーマ概要から引用:

携帯電話上で走らせるJavaプログラムは, サイズが小さいことが第一の条件である. しかし,Javaは元々 PCなど比較的リソース制限が緩いコンピュータ上で走らせることを想定していたため, 小さいプログラムを書くには特殊なテクニックが必要となる. つまり,一般のプログラマには敷居が高すぎ, このままでは携帯電話のJavaコンテンツの発展を阻害する恐れがある.

そこで,携帯電話上で動作するプログラムを開発するための コンパイラなどの開発を提案する. このコンパイラが生成するプログラムは, 同機能を持つ携帯電話上の通常のJavaプログラムの 1/10以下のサイズ (目標値) であり, 現状の携帯電話網においても無理なくダウンロードすることができる.

携帯電話がどんどん高機能化し、 当時のPC よりよほどパワフルになってしまった現在から見ると、 遠い昔の話のようです(^^;)。 採択・支援いただいた PM (プロジェクトマネージャ) の指摘:

現地ヒアリングのときに聞いた携帯電話上のJavaリソース制限の 技術的あるいは政策的な厳しさ (例えば,一つのiアプリのコードは10Kバイト以下に抑えないといけない) は, マウスイヤーの今日どれくらいの期間意味をもつのだろうか. このプロジェクトはこういったことに若干振り回されてしまったような印象もあるが, 得られたKamiyaシリーズの技術自体は, 携帯電話のモデルチェンジ周期より長い生命をもつであろう. 特にダイナミックリンクが要らないという見切りは 典型的なアプリケーションに対してある程度の汎用性があると思われる.

は、実に的確でした。 携帯電話があっという間に高機能化してしまって 成果物の製品化は実現しなかったのですが、 KLab株式会社 (当時の社名は、株式会社ケイ・ラボラトリー) の 創業期に技術会社としての基礎をどう築くか模索していた私にとって、 この開発プロジェクトは大きな意味を持ちました。

そんなわけで、KLab株式会社の黎明期に、 いかに未踏事業の支援が助けになったか、 機会あれば発表したいと思っていたところ、 「未踏」集会 ESPer2006 秋の陣 で 何かプレゼンしないか、とお誘い頂き、 一も二もなく引き受けました。

ESPer2006 秋の陣

日時 2006年11月25日(土)
   13:00開場、13:20開始、18:00頃まで
   その後 懇親会を行いますので、是非ご参加ください
会場 神戸国際会議場 国際会議室

定員 最大240名まで

プログラム・企画と登壇者
    IPAより、事業の紹介等
    PM談議(仮称)
    仙石 浩明氏
    尾藤 正人氏
    平林 幹雄氏
    森 悠紀氏
    油井 誠氏

2000年8月に 5人でスタートしたベンチャーが、 160人を超える会社 (2006年11月現在) に成長した、 その発展秘話(?) を、 未踏事業に採択された一技術者 (つまり私) の視点からお話ししたいと思います。 経営者の視点で書かれた会社発展物語はあまたあれど、 技術者の視点というのは、そんなに多くはないと思います (ってまだどんな話にまとめようか、まとめきっていませんが... 25日までに間に合うかな ^^;)。 自身の技術を起業につなげたい、 それも、十数人の規模ではなく、 100人あるいはそれを超える規模を目指したい、 と思っている方々の参考になれば幸いです。

会場にはまだ余裕があるようですから、 興味あるかたは 予約申込み の上、 ご参集下さい。 懇親会もあるようですから、読者の皆様とお会いするのを楽しみにしております。

Filed under: 技術と経営 — hiroaki_sengoku @ 07:20

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