仙石浩明の日記

2007年11月21日

La Fonera ファームウェア vmlinux.bin.l7 の拡張子「L7」とは?

FON ソーシャルルータ La Fonera のファームウェアは Linux であり、 RedBoot ブートローダ から起動される。 デフォルト状態の La Fonera では、 以下のように RedBoot がフラッシュメモリから Linux カーネルをロードして 自動起動する設定になっている。

== Executing boot script in 1.000 seconds - enter ^C to abort
RedBoot> fis load -l vmlinux.bin.l7
Image loaded from 0x80041000-0x801ba000
RedBoot> exec
Now booting linux kernel:
 Base address 0x80030000 Entry 0x80041000
 Cmdline : 
(以下略)

fis (Flash Image System) は、 フラッシュメモリの読み書きを行なうためのコマンドである。

fis load -l vmlinux.bin.l7」を実行することにより、 フラッシュメモリ内の「vmlinux.bin.l7」と名前をつけられた区画の内容を RAM へコピー (つまり load) する。

ところが、 fis load コマンドのマニュアルには、 「-l」オプションの記述がない。

Synopsis
fis load [-b load address] [-c ] [-d ] [name]

にもかかわらず、 La Fonera の RedBoot で fis コマンドのヘルプを表示させると、 「-l」オプションが指定できることが分かる。

RedBoot> fis help
*** invalid 'fis' command: unrecognized command
Usage:
  fis create -b <mem_base> -l <image_length> [-s <data_length>]
      [-f <flash_addr>] [-e <entry_point>] [-r <ram_addr>] [-n] <name>
  fis delete name
  fis erase -f <flash_addr> -l <length>
  fis free
  fis init [-f]
  fis list [-c] [-d]
  fis load [-d] [-l] [-b <memory_load_address>] [-c] name    ← コレ
  fis write -f <flash_addr> -b <mem_base> -l <image_length>

一体この「-l」オプションとは何なのか?

というか、 そもそも「vmlinux.bin.l7」という名前の見慣れない拡張子「L7」とは何なのか?
(L7 というと Layer 7 くらいしか思いつかない... ^^;)

というわけで調べてみた。

「vmlinux.bin.l7」の内容と、 「fis load -l」コマンドによって 0x80041000 番地にロードされた内容を見比べると、 「vmlinux.bin.l7」はデータ圧縮を行なった形式であるように見える。 おそらく「-l」オプションは、 フラッシュメモリ上の圧縮データを展開して RAM へロードするための オプションなのだろう。 圧縮データを展開するオプションとして「fis load」コマンドには、 すでに「-d」(gzip 圧縮データを展開) があるにもかかわらず、 何故わざわざ gzip 以外の圧縮形式を使っているのか謎であるが、 おそらくはより圧縮率の高い圧縮形式を使いたかったのだろう。

gzip より圧縮率が高い圧縮形式で「7」といえば 「7-Zip」、 という (安直な ^^;) 連想をもとに、 とりあえず手元にあった lzma コマンドで展開を試みてみる。

% lzma d vmlinux.bin.l7 vmlinux.bin

LZMA 4.43 Copyright (c) 1999-2006 Igor Pavlov  2006-06-04

ありゃ、あっさり展開できてしまった。 ちょっと拍子抜け。

展開した vmlinux.bin を TFTP サーバに置いて、 La Fonera に読み込ませて起動してみる:

RedBoot> load -r -b 0x80041000 vmlinux.bin
Using default protocol (TFTP)
Raw file loaded 0x80041000-0x8029aa37, assumed entry at 0x80041000
RedBoot> exec
Now booting linux kernel:
 Base address 0x80030000 Entry 0x80041000
 Cmdline :
(以下略)

これで、TFTP サーバに置いた任意のカーネルを La Fonera で起動することが できるようになった。 フラッシュメモリに書込む必要がないので手軽にカーネルの入れ替えができる。

ちなみに、 「vmlinux.bin」は RAM 上にコピーして即実行 (RedBoot の exec コマンド) 可能であることから、 raw binary 形式 (つまりオブジェクトファイルから、 シンボル情報やリロケーション情報を取り除いたもの) であることが分かる。 つまり、「vmlinux.bin」の拡張子「bin」は「raw binary」の意味なのだろう。 vmlinux から raw binary 形式のファイル vmlinux.bin を得るには、 次のように objcopy コマンドを実行すればよい。

% mips-linux-uclibc-objcopy -O binary vmlinux vmlinux.bin
Filed under: La Fonera — hiroaki_sengoku @ 06:49

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